大切な人が認知症になってしまったら。
あなたに知ってほしい認知症の方への接し方

 

1.初めに

前回は認知症をテーマにした「働き盛りの40代は必見!認知症は脳の血行不良が原因!?」をお送りしましたがお楽しみいただけましたでしょうか。

40代は働き盛りの年代ですが仕事だけではなく家庭の変化にも追われ、大きなストレスも感じる時期です。そんな生活を送っていると「あれ、今なにをしようとしていたんだっけ?」「あっ、あれを買いに行ったのに買い忘れちゃった・・・」なんて言葉を発してしまう機会が増えてしまいがちですよね。

それで、「私ってもしかしたら認知症・・・」と心配してしまう方が多いのですが、このように物忘れの自覚がある方は大丈夫、というようなお話でした。

でも、認知症は今や500万人ともいわれ、認知症の前段階とされる「軽度認知障害」と合わせると1000万人にも上るともいわれています。

このコラムの読者の皆さんは、正しい健康生活を身に付けている、または興味があるという方ばかりかと思いますが、誰でも年を重ねるにつれ老化現象は訪れてしまいますので、今から正しい認知症の知識を持って予防と対策を進めていくことがとても大切です。

でも、皆さんの大切な人である、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんはあなたよりも年上ですし、当然あなたよりも認知症のリスクは高いです。

そのため、今回は認知症第2弾となる「あなたの大切な人が認知症になってしまったら。あなたに知ってほしい認知症の方へ接し方」をお送りします。

これを知っていれば、認知症の方との接し方に困ることも怖がることもありません。ぜひ身に付けて下さい。


2.認知症の主な症状

まずは認知症の方によくみられる症状について説明します。
ちなみに「認知症の方なら誰でも現れる症状」のことを「中核症状」と言いますが、一般的に次のような特徴があります。

〈記憶障害〉
認知症の早期からみられる代表的な症状が記憶障害です。

特に自覚のない物忘れは注意が必要であり、新しい出来事が覚えられない、覚えたはずなのにすぐに忘れてしまう、覚えていたことが思い出せない、といったことがあれば日常生活に支障が出てしまいます。

最近のことからだんだん忘れていく事が特徴で、症状が進むにつれ悪化してしまいます。
つまり、さっき食べた食事のメニューを覚えていないどころか、食事したこと自体を覚えていないというように進行してしまうのです。

〈見当識障害〉
見当識障害は、日付や時間、季節、場所、人物などが分からなくなる状態です。

日時や季節、場所が分からなくなるということは、約束した時間と場所が急に分からなくなる、冬なのに夏の服装で出かけてしまう、家に居るのに「家に帰る」と言いだしたりと、困った行動が出てしまいます。

人物が分からない見当障害が進行すると、自分の子供や親の顔も分からなくなることもあります。

〈うつ・抑うつ〉
憂鬱(ゆううつ)でやる気がでない、気分が落ち込む、眠れない、食欲がない、といったネガティブな感情が続き、次第に何に対しても興味を示さなくなってしまう、このような状態が「うつ」または「抑うつ状態」です。

不眠や食欲不振で体重が大きく減ってしまうこともあり、不安感、焦り、イライラ感を強く感じ、怒る、物を壊すといった暴力行動がある場合もあります。

〈被害妄想〉
妄想とは記憶障害の不安などが原因で、現実にあり得ないことを確信してしまうことですが、認知症の方で多い妄想は被害妄想のひとつである「物盗られ妄想」です。

これは自分で置き忘れた財布であっても、「置き忘れた」という自覚がないために、探すこともなく盗まれたと思い込んでしまうのです。家に居ることが多い方ならば、当然一緒に住んでいる家族が疑われやすく、大騒ぎにも発展しまいがちです。

〈徘徊〉
徘徊(はいかい)とは同じ場所を行ったり来たり、ウロウロ歩きまわったりと、家だけではなく外に出てしまうこともあります。
このような場合は、落ち着いて声をかける、無理に徘徊をやめさせない、一緒に歩くなどの対応が良いでしょう。

実は、徘徊は意味不明の行動にみえますが、本人にとっては目的を持った行動であることも多いのです。
例えば、最初は探し物をしていたのですがなかなか見つからず。そのまま探し続けているうちに何を探していたのかを忘れてしまい、ただ単に歩き続けていた、といった具合です。

・・・このように主な認知症の症状は、記憶障害、見当識障害、うつ・抑うつ、被害妄想、徘徊といったものが挙げられます。
認知症が進むにつれて、それぞれの症状は進行していきますが、アルツハイマー型認知症は緩やかに進行していくのに対し、脳血管性認知症は脳卒中の発作のたびに段階的に悪化してしまいます。


3.認知症の方への接し方

認知症の方への接し方の原則は、「怒らない」「否定しない」です。

介護をしているとイライラしてしまうこともあるかと思いますが、怒ってしまうことはあなたにとっても逆効果です。
また「これは駄目、あれも駄目」という禁止項目を必要以上に設けたり、失敗を責めることはやめましょう。

例えば、さっき食事をしたことを覚えておらず食事の要求がある場合、「さっき食事をしたでしょ!」と怒るのではなく、「今から用意しますから、その間にテレビを見てて下さい。」と興味を他の事にそらすと良いのです。

物を盗まれたと騒ぐ場合は、とりあえず一緒に探します。そしてあなたが探し物を見つけても本人に発見させるようにします。このようにすれば、万一「私を困らせるために隠していたのでは」と疑われることを防ぐことができます。発見した後は、「みつかって良かったですね」と、優しく声を掛けて安心させるとなお良いですね。

徘徊をする場合は、日中の運動をできるだけさせることがポイントです。誰でも運動した日は早く眠りたいですし、いつもよりもぐっすり眠れますよね。ですから、できるだけ一緒に散歩をしたり、家事などを手伝ってもらって、運動によって疲れさせると良いのです。

認知症の方は言葉が不自由になってしまう方も多いですので、コミュニケーションの手段が変化していきます。相手の表情をみながら、大きな動作や仕草であなたの気持ちを伝えていくと、認知症の方も安心してくれます。

認知症の方は症状が進むにつれ、今まで行っていた動作に余計に時間が掛かってしまうようになりますが、今までと同じように自分の力でやることによって、症状は抑えられ、今までの生活の質も維持できます。

ですので、出来ないからといってやらせないのは良くありません。できる事、やりたい事は積極的にやってもらうようにすることが重要なのです。

4.まとめ

いかかでしたか。今回は認知症第2弾として、是非とも知ってほしい認知症の方への接し方をお送りしました。

認知症の方への対応で良くない対応としては、「叱ること」、「否定すること」、「叩くこと」などがありますが、その中でも一番良くないことは、「出来ないからといって何もさせず、寝たきりにさせてしまうこと」です。

認知症の方を介護する方は大変ですが、認知症の方にもプライドや羞恥心は残っており、当然「家族に迷惑を掛けたくない」、「出来ないと馬鹿にされたくない」という気持ちがあります。私達と同じように、楽しい、うれしい、悲しい、つらい、といった感情もあるのです。

ですので、私達が出来る事、一番に心がける事は、その人の心や気持ちを理解する努力です。

そして、ヒカル先生が考える一番の認知症のケアは、「見守り・観察ケア」です。
見守り・観察ケアとは、認知症の方の日常生活行動を制限、強要するのではなく、現状を見守り観察することですが、出来ないことをやってあげるのではなく、一緒に手伝ってあげることが大切です。

このような行動が、認知症の方とあなたの信頼関係を生み、あなたの負担も軽くなるでしょう。

次回の認知症第3弾は、認知症の方はもちろん、介護する方にはとても言葉で言い表せない苦労があると思いますので、認知症の方、介護する方におススメする治療・予防方法をお送りする予定です。お楽しみに。



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