タバコと血液と自然治癒力のお話

1.近代日本のタバコの歴史

日本におけるタバコの伝来は色々な諸説がありますが、タバコと日本人の関係は400年以上の歴史があるようです。

有力な説は1543年の鉄砲の伝来とともにポルトガル人によって伝えられた説ですが、1600年前後には長崎県付近でタバコの栽培が始まって日本各地に広がっていったようです。

1600年前後と言えば徳川家康が活躍していた江戸時代ですが、1601年にはスペインフランシスコ会修道士ヘロニモ・デ・ヘススが、療養中の徳川家康にタバコ由来の薬とタバコの種子を献上した記録もあります。

もちろん、当時の喫煙は紙タバコではなく煙管(キセル)ですが、当時はとても高価な薬品であり、喫煙できるのは裕福な武士や商人のみでした。

また江戸幕府は火災やぜいたく品を禁止していましたので、たびたびタバコ禁止令を出しています。徳川家の将軍で初めて喫煙した将軍と言われているのは、家康ではなく10代将軍の家治との記録があります。

ですが、江戸時代の中期頃からタバコが値下がりして、庶民への喫煙習慣が広まっていきました。そして明治時代になるとタバコの栽培・製造・販売が本格化し、急速にタバコの習慣が広まりました。1965年(昭和40年)には、日本人成人男性の喫煙率は82.3%と圧倒的な喫煙者数になったほどです。

しかし年少者にもタバコの習慣が広まってしまい、1984年には「小学校での喫煙を禁ずる」との訓令が出されています。現在も未成年者のタバコ喫煙を禁ずる法律である「未成年者喫煙禁止法」は、1900年に施行される事となりました。

喫煙率が上昇すると、タバコが及ぼす影響にも関心が向けられ、特に健康に対する影響が取り沙汰されるようになり、1930年代は急激に肺ガン患者が増加したことで、それまで大量に消費されていたタバコと肺ガンの関連性が疑われるようになりました。

その後、タバコと肺ガンとの関係について研究が進み、喫煙者は肺ガンになりやすい事が判明したのですが、肺ガン以外にも口腔ガン、喉頭ガン、食道ガン、胃ガン、膀胱ガンなどの発病リスクが、タバコを吸わない人に比べて高いことが分かったのです。

 

2. 世の中は禁煙ブーム

ここ近年は、タバコに対する法律規制や度重なる値上げ、健康に対する関心アップから、凄まじいほどの禁煙ブームです。
タバコの自動販売機もICカードが必要になり、レストランの喫煙席はどんどん削減して利用できないお店も出現、会社や公共施設の喫煙スペースも狭くて遠い所に移動、家でも外に出ないとタバコが吸えないなど、世の時の流れは喫煙者にとって肩身が狭い世の中になってしまいました。

その結果、2017年の調査資料では男性では28.2%、女性は9%、全体では20%以下の喫煙率まで減少しています。

今後もタバコに関する規制は強化されるばかりと予想されますので、健康的、経済的な面でも禁煙ブームはまだまだ続き、喫煙者は自然と減少していくでしょう。

しかし、長年タバコを吸われていた方にとっては、禁煙のメリットはよくわかっていても、実際にタバコをやめることは容易ではありません。

「禁煙って簡単に言うけどそんなに簡単ではないんだ。」

「何度も試みたけど無理だった。」

「禁煙すると禁断症状がひどくて、逆に調子が悪くなるんだよ。」

なんて話もよく聞きます。

ですが、タバコは百害あって一利なしですので、ご自身の健康だけではなく、大切なご家族、同僚、友人達の健康の為に、ぜひとも禁煙ブームの今にチャレンジして、成功をしていただきたいですね。

 

3.タバコには血液がドロドロになる有害物質がいっぱい

タバコが原因と考えられる病気はガンや生活習慣病だけではありません。虫歯や歯周病、口臭などの歯や口の疾患、抜け毛や肌の老化など美容への影響も大きいのです。

これらはタバコの害として一般的に叫ばれる症状ですので、喫煙者の皆さんも良くご存じかと思いますが、ではタバコに含まれる有害物質が、一体どのくらいの有害物質があって、どんな物質なのかご存じでしょうか。

なんとタバコの煙には4000種類の化学物質が含まれており、その中の200種類以上が有害物質、発がん性物質は60種類以上もあるのです。

この有害物質で有名なのは「三大有害物質」といわれるニコチン、タール、一酸化炭素ですが、タバコを吸うと肺から血液の中に入って身体の隅々まで行き渡って、身体中の血液をドロドロに汚していきます。

では、この三大有害物質のニコチン、タール、一酸化炭素について説明します。

タバコがなかなかやめられない原因ですが、それはニコチンの影響です。ニコチンは中毒性が高く交感神経を刺激します。抹消血管は収縮して血流が少なくなり、血圧が上昇、脈拍も早くなるので心臓に負担も掛かり、その結果血管が老化してしまいます。

タバコの煙を冷やすと黄褐色のネバネバした液体、ヤニができます。このヤニのもとがタールです。タールにはベンゾピレンなどの発ガン物質がたくさん含まれており、油のようにベタベタしているので、喉や肺にくっついてガンを誘発します。タバコ20本を毎日吸うと1年で110g~150gのタールが身体に摂取することになります。これはコップに軽く1杯分の量です。

自動車の排気ガスに多く含まれる一酸化炭素は、酸素の200~250倍もの強い力でヘモグロビンと結合します。それによって血液は酸素不足になって、身体は酸素欠乏になってしまいます。

またニコチンと一酸化炭素は動脈硬化を促進させて、血液がドロドロになってしまいます。

どうですか?さすが三大有害物質、どれも身体にとっても悪い作用がいっぱいですね。

でも、タバコにはこの三大有害物質以外にも、シンナーの主成分であるトルエンや、猛毒で知られるヒ素など、とても有害な物質が含まれており、とても全部を紹介しきれないほどの有害物質があるのです。

ですので、どんなに運動療法や食事療法で健康に気を付けていても、タバコを吸っているとたくさんの有害物質の作用により、血液は汚れてドロドロになってしまうのです。

 

4.まとめ

これまで「自然治癒力を高める」というテーマで、たびたび血液の大切さを訴えてきましたが、いかにタバコが血液に大変な被害を与えてしまう事がお分かりいただけましたでしょうか。血液が汚れて血行が悪くなると、色々な病気や健康被害が出てくる、という結果になってしまいます。

なお、タバコは、直接タバコを吸われている方に害を及ぼすだけではなく、タバコの煙を周囲の人が吸い込む受動喫煙が問題になります。タバコを吸うときに吸い込む煙を主流煙、タバコの火がついているところから立ち上る煙を副流煙と言いますが、この副流煙の方が有害物質を多く含みます。副流煙による受動喫煙にてタバコを吸わない配偶者が肺ガンになってしまうこともあるのです。

ちなみに厚生労働省の調査では、2015年の部位別患者数で肺ガンは大腸ガンに次いで2位ですし、肺ガンによる死亡数は1位という情報があります。
(男性は1位、女性は大腸ガンに次いで2位)

自然治癒力を高めて、病気に負けない身体を作るためには、身体に悪い事は早くやめるべきです。タバコは有害物質のカタマリであり、血液を汚して身体全体にダメージを与えていきます。タバコにより血液が汚れて組織の力が弱まれば免疫力も下がってしまいます。

これでは、どんなに運動や食事に気を付けて自然治癒力を高めようとしても、身体を健康体に戻すことは困難になってしまいますね。

 

以上、健康に関心を持ってこのコラムを読まれている皆さんは、タバコを吸われている方は少ないと思いますが、健康にとってタバコは天敵というお話でした。



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