体温と自律神経と自然治癒力のお話

1.低体温症はとても危険

突然ですが日本人の平均的な平熱をご存知ですか?

答えは・・・36.8度です。

えっ?ちょっと高くない?と思われた方もいらっしゃるでしょう。しかし実は理想とされている体温は37度ですので、平均的な36.8度は理想の37度よりも少し低い体温ですね。

ところが一方で、最近は36度以下の低体温症が女性の間で増えています。

これは実は大変困った状態でして、36度以下の低体温になると、当然のことながら身体の中は冷えてしまい、なんと老化のスピードも早まってしまうのです

体温が低下すると代謝が落ちて、身体の中の脂肪分が固まってしまい、脂肪もつきやすくなります。つまり食べたら食べた分だけしっかり太ってしまう、太りやすい体質になってしまいます。代謝が落ちると排泄機能も悪くなり肌荒れを起こしやすくなります。

低体温は女性の方が多いのですが、美容を気にされる女性にとっては大変な問題がおこってしまうのです。

また、血管内部に脂肪が固まってしまうと血管の通り道が狭くなってしまいます。そうすると、血液の流れが悪くなってしまいますので、身体に必要な栄養素が届かなくなり、老廃物も溜まってしまいます。つまり低体温症は、美容だけではなく健康にも大きな害を及ぼす事になりかねない症状なのです。

 

2.二つの自律神経

次に自律神経という言葉をお聞きになったことはございますか。

自律神経とは、体の隅々にまで張りめぐらされた神経であり、血管、心臓、肺、腸などの全ての内臓器官まで伸びています。自律神経は人間が寝ている間に呼吸をしたり、心臓を動かしたりする生命活動の指令を調節しており、とても大切な働きをしているのです。

体温を一定に保つなど、体内の環境を一定に保つことを「恒常性(コウジョウセイ)」と呼びますが、これも自律神経の働きによるものです。血液循環をはじめとする呼吸、消化、排泄、免疫、代謝などは、すべてこの恒常性を維持するためのシステムであり、これらは自律神経によって維持されているのです。

自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の二つで構成されており、必要に応じて自動的に切り替わるのですが、互いに生命活動に関わる諸機能をコントロールする神経であり、相反する作用を持った交感神経と副交感神経がバランスを取り合いながら自律神経の調整をしています。

この自律神経が正常に機能しなくなると様々な不調をもたらします。交感神経と副交感神経のどちらが優位に働き過ぎても、血行の状態は悪くなってしまいます。自律神経は、生命を維持する上で重要な様々な働きを司っていますが、その基本となるのが、「血行」なのです。

では、交感神経、副交感神経について、もう少し詳しく説明しましょう。

 

交感神経が優位になると、イライラやストレスに対抗して身体はいつでも戦えるように「戦闘モード」に入ります。 交感神経は血管を収縮させる働きがあるのですが、血液は主に筋肉に流れ込み内臓への栄養&酸素供給がおろそかになります。

交感神経は車でいえばアクセルのようなもので、交感神経の働きが一方的に優位になるとアドレナリンが過剰に作用します。その結果、血管が収縮して血流が悪くなるのです。

反対に腸管は緩くなるので内臓の機能も低下して炎症ができやすくなります。

また興奮や緊張が高まれば怒りっぽくなって、血流の障害から身体のだるさが出たりします。

 

副交感神経が優位な状態になると、身体はリラックスします。ですから緊張感が高いときは、副交感神経を高める必要がありますが、そのためにもっとも有効な手段が腸内環境を整えることです。

腸内環境がよくなると副交感神経が優位になって免疫力が上がります。 

でも副交感神経がいつも高ければ良いという訳でもありません。副交感神経が高くなりすぎると血管が過度に緩んでいき、収縮時と同じように血流障害が起きてしまいます。また、副交感神経が活発化し過ぎると血液中の顆粒球が必要以上に増えてしまいます。この増え過ぎた顆粒球は、死滅する際に活性酸素を発生させます。活性酸素は強い酸化力を持っているため、体内の細胞を錆びつかせる原因になり、血液が酸化されてドロドロになってしまいます。

また、免疫細胞が弱って元気がなくなると、健康な大人でも1日に5000個できると言われるガン細胞へ攻撃できず、その結果ガン細胞が増えてしまい、やがてガンという病気になってしまうのです。

 

3.体温と自律神経と自然治癒力

体温が下がるということを例えると、細胞を冷蔵庫に入れて細胞活動をむりやり休止させているような状態であり、私たちの体内細胞は困った状態になります。

体温が1度下がると、代謝は12%、抵抗力、免疫力は37%も落ちるといいます。さらに免疫力が低下するとガンなどの病気にかかりやすくなります。しかし、逆に37度以上の体温になると「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」というガン細胞を攻撃してくれるリンパ球の1種が活性化するのです。

自律神経は血行が大きく関係しており、血流と体温を調節します。

もしストレス状態が続いて交感神経優位な状態が長く続くと、身体は血行不良の状態が続いていることになり、各種ホルモンの分泌や体温調整などにも支障をきたします。結果的に血液はスムーズに流れず、ますます血行が悪くなり、体温も低下するという悪循環にはまり込むのです。

自然治癒力は自己の免疫力を高めて病気に負けない身体をつくることが基本ですから、体温が低くて代謝や免疫力も低下して自律神経の働きも弱っているとしたら、十分な自然治癒力を発揮することはできなくなります。

 

4.まとめ

いかがでしたか。自然治癒力を高めるというテーマでコラムを連載しておりますが、第2回は体温と自律神経をクローズアップしてみました。

どちらも血行が大きく関係しており、低体温や自律神経の乱れは免疫力の低下に繋がります。

対策としては体温を上げてストレス状態を早期に解消する事が大事となるでしょう。

 

自律神経の交感神経と副交感神経は、互いがバランスよく機能することが大切なのですが、自律神経はストレスと密接な関係にあります。

現代はストレス社会とも呼ばれていますので、会社、学校、家庭でもストレスを感じる要因がいたるところにあるでしょう。ストレスを完全にゼロにすることは難しいですが、ストレスを発散できるような趣味を持つこと、自然に触れたり、人と会って娯楽を楽しむことも重要な健康法なのです。

ストレスは自律神経の交感神経と副交感神経の乱れを引き起こし、様々な不調の原因になりますので、自分なりのストレス発散法を見つけるようにしましょう。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です