OKグーグルとアレクサ

最近ヒカル先生は「OKグーグル」とか「アレクサ」という言葉を耳にする機会が増え、とても気になっております。
そう、これは今話題の「スマートスピーカー」です。
「OKグーグル」はあのグーグルによる「Google Home」、そして「アレクサ」はアマゾンの「Amazon Echo」というスマートスピーカーですね。
スマートスピーカーはこれらの声を聞くことが機動のサインになります。
基本的にスマートスピーカーは音楽を再生するオーディオに当たるのでしょうが、スマートスピーカーを使えば数十年前のSF映画にでてくる日常の世界が実現できます。
例えば仕事を終えて誰もいない家に戻ったら、スマートスピーカーに呼びかけます。
「ただいま」と声をかければ「おかえりなさい」と暖かい声が迎え、「電気を付けて」と言えば照明が灯されます。
もちろん音楽だって「〇〇の曲が聞きたい」と言えばその曲をかけてくれます。
※加入している音楽サービスにより仕様は異なります。
他にも天気を教えてくれたり、スケジュールを読みあげてくれたり、「何時に起こして」と言えばアラームをセットしてくれます。
いや~、実にスゴイ時代になりました。
でもこんな高性能の機械ですから、さぞ高額だろうと思われるでしょう?
実はスピーカーの質やディスプレイの有無にこだわりがなければ、なんと本体は1万円もしない価格で手に入れることができるのです。
これはもう買うしかありませんね。
ところが、ヒカル先生の場合はちょっとした問題がありました。
せっかくスマートスピーカーをお迎えするのならば、その性能をより引き出したいものです。
ヒカル先生は家電やセキュリティーと連動させたいのですが、その為にはスマートプラグやスマートリモコン、スマートロック等の付属品が必要になります。
ヒカル先生が持っている設備機器は年季物が多いですから、この当たりの付属品を揃えるとけっこうな費用が掛かることが判明しました。
それで予算的に今すぐにはお迎えできないのですが、なるべく早く、「Google Home」か「Amazon Echo」をお迎えしたいと思っていますよ。
AIの会話

スマートスピーカーの本体を見てみると、実にシンプルなデザインです。
操作ボタンなどはほんのわずかしかありません。
ヒカル先生くらいの年代ならば、高性能の機器になるほど操作ボタンが増えるのが常識と思いがちですので、これは不思議と思う人も多いでしょう。
この秘密はスマートスピーカーに内蔵されたAIです。
AIとは人工知能のことですが、スマートスピーカーに話しかければ話しかけるほどAIは自己学習して、どんどん賢くなっていきます。
その賢いAIがWi-Fi環境を通してスマートフォンのアプリに操作指示を出し、私達がお願いしたことをかなえてくれるのです。
ですが、賢いAIのスマートスピーカーだって流石に何でも出来る訳ではありません。
出来ないことは安請け合いすることはせず、正直に「すみません、お役に立てそうにありません」と返事をしてくれます。
ヒカル先生はこれには感心してしまいました。
これはまるで、人とのコミュニケーションではありませんか。
実際に高性能のAIとなれば、その会話は本物の人間との会話と見分けがつかないとも言われます。
そのため、ただいまこのAIによる会話能力が注目されており、多くの分野での活躍が期待されています。
そのひとつが介護の現場であり、AIとの会話によって認知症の発症を抑えることに注目されているのです。
認知症予防には会話を

現在、我が日本は空前の超高齢化社会に突入しました。
今後はますます介護問題が深刻化し、施設・自宅において人手不足や老老介護の問題も急激に加速するでしょう。
そのような介護の現場ですが、介護者の状態次第で介護する人の負担が大きく変わります。
そう、その状態が「認知症」です。
最近の研究によって、認知症は脳の血流が関係していることが判明しました。
そして「会話の不足」も認知症を誘発し重症化すると考えられています。
社会的に孤立して他人とのコミュニケーションが少ない人は、多い人に比べ約8倍の認知症の発症リスクとも言われています。
しかし逆の見方をすれば、会話の機会が増えれば認知症のリスクを抑えることができるはずです。
そこで身近な話し相手として、AIを搭載した対話ロボットに白羽の矢が立ったという訳です。
厚生労働省では定期的に「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」を開催しておりますが、2019年2月14日の会議では、介護現場の技術革新を勧め、AIを搭載した介護ロボット等の導入を進めるべきではとの議論が行われました。
この日の会議に参加した、理化学研究所革新知能統合研究センター(AIP)認知行動支援技術チームチームリーダー、ほのぼの研究所所長を務める大武美保子さんの研究も発表されました。
大武さんの研究のひとつに、AIを搭載したロボットが司会を担当するグループミーティングがあります。
司会は慣れないと人間でも難しいものですが、AIロボットはグループ全員がバランスよく話して聞けるように進行したばかりか、笑いも引き出す等、人間さながらの活躍をしたそうです。
また、あのトヨタ自動車もAIを搭載した高齢者向け対話ロボットを開発中であり、来年2020年に投入する予定です。
それがこちらのソーシャルロボット「ポコビィ」です。

いかがですか、とても可愛らしい姿でしょう。
AIロボットと聞くと無機質なイメージをされていた方も多いと思いますが、ボコビィの姿を見ればそんな心配は吹き飛びましたよね。
ポコビィの可愛らしさは、ヒカル先生も思わず頬ずりしたくなるほどです。
トヨタ自動車は2020年に迫ったポコビィの投入に向けて実証実験を重ね、現在は会話を飽きさせない間やリズムを調整し、会話から感情を推定する機能や興味を引く話題を提供できるようにしています。
このポコビィが「うん、いいね!」と喜び、「ねぇ、この写真は何?」などと話しかけてくれたら、ヒカル先生だって嬉しくなってしまいます。
ポコビィは高齢者の話し相手だけではなく、小さなお子様の話し相手としても大活躍しそうですね。
まとめ

いかがでしたか。
今回ヒカル先生はAI技術に注目してみましたが、皆さんもきっとAIを搭載したロボットに早く触れてみたいと思っていただけたことでしょう。
ただいまAIは各分野への進出が進んでいます。
もともと機械化が進んでいた製造業においては、AIを搭載した製造ロボットは更なる活躍をみせるでしょう。
物流においてもAIが最適な配置や経路を導き出して、効率よい運搬を考えてくれます。
人手不足が深刻な飲食業においてもAIが接客をこなし、同じく人手不足が深刻な建設業においても、AIロボットならではのパワーを生かし人間の手では不可能な作業もやってのけるでしょう。
そしてAIは介護の世界にも進出していくわけですが、ヒカル先生はAIの会話能力に目を付けたのは素晴らしい着眼点と感じました。
世の中には人とのコミュニケーションが苦手な人がおりますが、AIロボットとのコミュニケーションなら取れるという場合もあるでしょう。
そうすれば、どなたでも会話不足による認知症のリスクは低減できますし、心の安定がもたらす効果は図り知れません。
それにAI搭載ロボットは、スマートスピーカーのように外部に指令を出すことが大得意です。
一人の時に倒れてしまって救急車を呼ばなくてはならない時、AIロボットが緊急事態を察して速やかに助けを求めることも可能になるでしょう。
このようなことが実現可能になった暁には、高齢者はもちろん離れて暮らす子にとっても安心です。
「ポコビィ」のようなAI搭載ロボットを一人一台持つようになり、AIロボットと人間が共生する世界はそう遠くない未来でしょう。
なお、ハリウッド映画ではマトリックスシリーズに代表されるようにAIが敵になるストーリーが多いですが、ヒカル先生はドラえもんのようなイメージを抱いていますよ。
皆さんだって、ドラえもんが身近にいると思えばとっても楽しくなりますよね。
このように常に明るく楽しいイメージを持つと、脳が活性化して認知症予防にも繋がることも覚えておきましょう。