免疫は良いもの?悪いもの?

ヒカル先生はこの「磁気とカラダの保健室」のコラムにて、たびたび「免疫力を高めましょう」という主旨の言葉を発しています。
ところがある症状を抱えている人から、「免疫力を高めると病気になるんだよ」という情報をいただいてしまいました。
その方はずっとアレルギー性の疾患に悩んでいる方でした。
子供の頃はアトピー性皮膚炎、大人になったらアトピー性皮膚炎は軽くなったものの花粉症がひどくなり、3年前から食物アレルギーによりお蕎麦が食べられなくなったそうです。
さらに、「免疫を高めると免疫細胞の働きが強くなりすぎて暴走してしまう。それで自分自身の身体までも攻撃してしまうから、アレルギーを始めとする病気になる。」との見解をお持ちでした。
確かにアレルギーという現象は、身体の免疫反応によって引き起こされる身体への障害です。
原因となる物質(アレルゲン)が体内に入ったとき、免疫が過剰に反応してしまって自分自身の身体まで攻撃してしまう(抗原・抗体反応の一種)のです。
免疫が過剰に反映する病気は自己免疫疾患と呼ばれ、代表的な病気には関節リウマチもあります。
そう考えるとこの方がおっしゃることも理論的ですし、なかなか興味深い見解です。
しかしながら、皆さんの中には「果たして免疫とは身体に良いものなのか悪いものなのか?」と感じた方も多いことでしょう。
そこで今回のコラムでは免疫とアレルギーの関係をより詳しく、さらにヒカル先生の見解をお送りします。
免疫力を高める効果

免疫力を高めることの効果としては、ウイルスや細菌がもたらす病気を予防できることが挙げられます。
一般的に免疫力が高い人ほど風邪などの感染症になりにくく、もし病気になってしまっても早く治ります。
また免疫細胞と呼ばれる白血球には、顆粒球(かりゅうきゅう)、マクロファージ、樹状細胞などいくつかの細胞がありますが、ガン細胞でさえも退治してしまうNK(ナチュラルキラー)細胞もあります。
実は健常な大人でも一日に5000個位のガン細胞ができると言われていますので、ヒカル先生の身体でも今こうしている間に無数のガン細胞が出来ているのです。
しかしヒカル先生はガンではありません。
これはヒカル先生の身体のガン細胞を、NK細胞を始めとする白血球部隊が食べてくれるからです。
このような現象はヒカル先生が特別ということではなく、皆さんの身体でも同じように起こっています。
これが免疫の働きですが、免疫力を高めることはガン予防にとても効果的ですので、多くの医療・健康分野の専門家や研究者の方々からも推奨されるわけですね。
ちなみに、ガン細胞がすぐにガンになるわけではありません。
白血球の処理能力以上のガン細胞が出来てしまうと、生き残ったガン細胞がやがてガンになってしまいます。
ですから発ガン性物質の塊とも言えるタバコを喫っている人は早くやめて、発ガン性物質が多く含まれる食材の摂取もできるだけ控えるようにしましょうね。
免疫とアレルギーの関係

このように私達の身体を外敵から守ってくれる免疫ですが、アレルギーやリウマチなどの自己免疫疾患をお持ちの方にとっては、免疫が病気の原因という見解でしたね。
しかも双方の見解にはそれなりの説得力もあったでしょう。
これではさらに「果たしてどちらの言うことが正しいのやら?」
と、頭の中がパニックになってもおかしくありません。
そこでよく言われるのが、
「免疫力は高すぎても低すぎてもいけない。ちょうどよいバランスが重要」
という見解です。
つまり、免疫が高ければアレルギーや自己免疫疾患、免疫が低ければガンや感染症になってしまうのならば、そこそこの免疫力が一番という考えです。
しかしヒカル先生は、この考え方はちょっとおかしいなぁと思っています。
だって考えてみてください。
免疫が高いとアレルギーを発症するとしたら、アレルギー持ちの方は風邪を引かなければガンにもならないのですか?
逆に免疫が低くガンになってしまう人はアレルギーにならないのですか?
ねっ! 皆さんも不思議に思うでしょう!
それからもうひとつの見方として、食物アレルギーにも目を向けてみましょう。
食材にはアレルギーの原因(アレルゲン)になりやすいとして、7品が特定原材料に指定、20品が特定原材料に準ずるものと指定されています。
<特定原材料>
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、鮭、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、桃、やまいも、りんご、ゼラチン、カシューナッツ、ごま
う~ん、実に美味しい食材が並んでいます。
ヒカル先生はエビフライが大好きですし、お蕎麦も大好きですが、このような皆さんが大好きな食材がアレルゲンになりやすいのですね。
これらの美味しい食材をアレルギーで食べられない方はとても残念ですが、アレルギーはこのうちのいくつかの食材がアレルゲンとなることが一般的です。
例えば、お蕎麦はダメでも小麦粉が原料のうどんなら食べられるという方もいます。
食材だけではなく花粉も同様です。スギはダメだけどヒノキなら大丈夫という方もいますよね。
アレルギーとは「ある特定の物質」に対して過剰に免疫が反応してしまう状態です。
つまりヒカル先生は、「免疫が低い=病気になりやすい」という見解は成り立っても、「免疫が高い=アレルギーを発症する」という見解は成り立たないと考えています。
しかし、アレルギーやリウマチを始めとする自己免疫疾患は、免疫によって引き起こされる病気であることは否定しません。
ですが、これらの病気は「異常に高い」免疫が引き起こします。
つまり、身体の仕組みである免疫が「何らかの要因にて異常状態」になってしまったことが本当の問題と言えるでしょう。
免疫力が原因で病気になる?・まとめ
日本人の死因の第一位の病気はガンであり、3人に1人はガンで亡くなるとも言われています。
いっぽう、花粉症もひとつのアレルギー症状ですから、日本全国には数千万人の方が何かしらのアレルギーでお困りです。
現代社会においてガンとアレルギーは避けて通れない病気なのです。
また、そんなガンとアレルギーに密接な関係にあるのが免疫です。
免疫は私達の身体に備わる優秀な防衛システムです。
この免疫はガン細胞でさえも倒してしまうほどの強い力を持っている反面、その力が誤って自分自身に向いてしまうと大変なことになってしまいます。
それがアレルギーやリウマチなどの自己免疫疾患であり、免疫力を高めることが原因との声があるのです。
ですが「強い力=危険」という考えは一方的であり、正しいとは言えません。
危険な状態になるのは、その強い力を間違った方向に向けてしまう誤った指令があるからです。
これは人体だって同じです。
私達の身体はホメオスタシスと言って、自律神経、内分泌、免疫の3つの働きがバランスを取り合って健康を維持しています。
ところがこのホメオスタシスのバランスが崩れてしまうと、脳と自律神経の連絡系統に異常が生じ、身体のあらゆるところに異変が現れてきます。
免疫も当然にその影響を受けます。
その結果、本来ならば身体に害のない物質であっても悪いものと誤認識してしまい、アレルギー反応や自己免疫疾患が生じてしまうのではないかというのがヒカル先生の結論です。
ですからヒカル先生は、アレルギーやリウマチなどの自己免疫疾患を治すために免疫力を下げるのではなく、ホメオスタシスの働きを正常化するために自律神経から整えていくことをおススメします。
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それでは皆さん今日も適度な運動、バランスの良い食事、日光浴、磁気などで血行促進をして、自律神経の機能を整えながら免疫力を高めていきましょう。