ある日突然にアレルギー体質に
ヒカル先生は12月7日にお送りした「蜜蜂に刺されたら!アナフィラキシーと対処の基本」の最後に皆さんにある予告をしました。
そこで今回のコラムは、蜂に刺されたことのある人はもちろんのこと、花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患に悩まれている人には必見の情報をお送りします。
いや、それどころか「自分はアレルギーなんて無いから関係ないや」と、このコラムをクリックしたにも関わらず直ぐに閉じようとした人にも、間違いなく有益な情報になるでしょう。
・・・あらっ? ヒカル先生、思わず力が入り過ぎて自分で自分のハードルを上げてしまったような・・・
仕方ありません。
ヒカル先生の雑談が満載のコラムを楽しみにしている方には申し訳ありませんが、今回の前置きは早々に切り上げて本題に入るとしましょう!
いまや日本人の3人に1人はアレルギー性疾患を持っていると言われています。
アレルギーの原因となる物質はアレルゲンと呼びますが、実に様々な物質がアレルゲンになります。
蜂の毒、花粉、かび、猫などの動物の毛、卵、小麦、エビやカニなどの食物アレルギー、金属や薬など、例を挙げだすとキリがありません。
アレルゲンのやっかいなところは、今までは大丈夫だったのにある日突然にアレルゲンになってしまうことです。
これには「蜂に刺されてしまった」というような不幸なアクシデントも含まれますが、例として花粉症が発症する経緯を説明しましょう。
私達の体内には花粉をためるバケツがあると考えてください。
このバケツには体内に侵入した花粉が少しずつ蓄えられますが、どこかに捨てることは出来ません。
そうするといつの時点か分かりませんが、バケツから花粉が溢れるときがやってきますよね。
このいつか溢れるときが、ある日突然に花粉症が発症してしまうときになるわけです。
また、身体に取り込まれる花粉ですが、スギはこのバケツ、ヒノキはこっちのバケツ、イネはあちらのバケツというように、しっかりと分別してバケツに放り込まれます。
そのために身体には無数のバケツが用意されているのですが、その大きさは同じではありません。
バケツの大きさは遺伝も影響しますが、バケツに溜まるスピードは周囲の環境や生活習慣が大きな影響を与えます。
つまり、去年まではスギ花粉だけだったのに、今年は稲の花粉症になったとしてもそれは全く不思議なことではありません。
また、花粉症だけではなく食物アレルギーもある日突然に発症してしまうこともあります。
いかがですか。
「自分はアレルギーなんて無いから関係ないや」なんて気持ちは、どこ吹く風になってしまったでしょう?
アレルギーの対症療法
不幸にもアレルゲンを作ってしまうと、アレルゲンに接触するたびにくしゃみや鼻水、喉や皮膚のかゆみ、頭痛といった不快な症状が現れます。
アレルギー症状を起こさないためには原因となるアレルゲンを遠ざけることが一番です。
花粉ならマスクやゴーグルが有効ですし、花粉症の薬を服用して症状を和らげることも有効です。
なお、花粉症の薬は体内に生成されるヒスタミンを抑える薬が主流ですが、常に血流が良い人はヒスタミンを抑えることができますよ。
過去に蜂に刺されたことで体内に抗体ができてしまうと、蜂毒アレルギーになります。
蜂毒アレルギーの人がもう一度蜂に刺されてしまった場合、アナフィラキシーによる重度のアレルギー反応が起こりやすく、発症したら一刻も早い対応が求められます。
その対応はアドレナリンの筋肉注射を行うこと。
でも、「そんな都合よくアドレナリン注射なんかできないよ」と思ったでしょう?
ですがご安心ください。
医師の診断にてアナフィラキシーの危険が高いと判断された人には、アドレナリン自己注射キットの処方を受けることができます。
手元にアドレナリン自己注射キットがあるかないかでは、いざという時は天と地ほどの差です。
蜂毒アレルギーかつ蜂に遭遇する可能性が高い人ならば、すぐにでも医師に相談して、アドレナリン自己注射キットを常に携帯するようにしましょう。
このように症状の緩和や発作が起きた時に行われる治療を「対症療法」と呼びます。
ですがアレルギー体質を根本から治す訳ではありませんので、万一の油断から重症に至る可能性はゼロではありません。
そこでまだまだ研究段階の治療方法ですが、「アレルゲン免疫療法」に大きな期待が掛かっています。
アレルギーの根本治療 アレルゲン免疫療法とは
アレルゲン免疫療法は減感作療法とも呼ばれ、アレルゲンを少しずつ体内に取り入れていくことで体をアレルゲンに慣らし、完治を目指す治療法です。
体内に取り入れるアレルゲンの濃度を少しずつ上げていくために、治療は3~5年という長期間に渡りますが、現段階においてアレルギーを治す可能性のある唯一の治療法と考えられています。
そんなアレルゲン免疫療法は、注射による「皮下免疫療法」、舌の裏に薬を垂らす「舌下免疫療法」の2種類があります。
<皮下免疫療法>
皮下免疫療法は複数のアレルゲン治療を同時に行えることが最大のメリットです。
デメリットとして、患者は通院の手間が掛かること。
皮下免疫療法を開始して5ヶ月間位は週に1回の通院をして、医師に注射をしてもらわなくてはなりません。
しかしアレルゲンの目標投与量に達したあとは、2週間に1回、3週間に1回と徐々に伸び、最終的には2ヶ月に1回程度になります。
気になる費用ですが、保険適用の30%負担として1回の注射で600円前後です。
1種類のアレルゲン治療ならば、初年度は年間2万4千円位掛かりますが、最終的には年間3600円程度で治まることも大きなメリットです。
<舌下免疫療法>
舌下免疫療法の初回は医療機関で行いますが、基本的には自宅で投薬する治療です。
舌の裏に薬を垂らす投薬は毎日自分で行い、月に1~2回の通院も必要ですが、皮下免疫療法よりも時間の束縛が緩いことが最大のメリットです。
費用は診療と処方薬を合わせて、保険適用の30%負担で年間3万円前後です。
しかし現在ではダニアレルギー性鼻炎とスギ花粉症しか保険適用されず、どちらかに対する治療しかできません。
また皮下免疫療法は5歳以上に対し、舌下免疫療法は12歳以上という規定があります。
日本でのアレルゲン免疫療法は研究段階です。
保険はスギ花粉症、ダニによるアレルギー性鼻炎、気管支喘息など一部のアレルギー症状にしか適用できず、蜂毒アレルギー治療は残念ながら保険が適用されない自由診療です。
しかし、2014年10月からスギ花粉症、2015年12月にダニアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法が保険適応になった経緯もあり、今後はさらに保険適用範囲が拡大していくでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回ヒカル先生は、アレルギーに悩む人達にとって救世主となる最先端治療であるアレルゲン免疫療法を紹介しました。
これまでは、「一度アレルギーを持つと嫌でも一生付き合わなくてはならない」という見解がありましたが、このアレルゲン免疫療法が皆さんの光明となれば幸いです。
なお、アレルゲン免疫療法を行うと激しい咳や蕁麻疹が全身に出るなどのアナフィラキシーによる副作用があることは事実ですが、数千回の注射に1回出るかどうかの低確率です。
皮下免疫療法の注射は医師が行いますので、万一発作が起きてしまったとしてもすぐに迅速な処置を受けられます。
アレルギーをお持ちの方にとっては、いつアナフィラキシーショックが襲って来ないかと心配なことでしょう。
なにしろ蜂に刺されたことで引き起こされるアナフィラキシーショックでは、毎年およそ30~40名の人が死亡しています。
そのためヒカル先生は、蜂毒アレルギーをお持ちの方は保険が適用されるまで待つのでなく、積極的にアレルゲン免疫療法を検討してほしいと考えています。
流石の電気磁気治療器でも、重度の急性アレルギー反応であるアナフィラキシーには対処できませんからね。
最後に、ヒカル先生が毎度おススメしている電気磁気治療器は、アレルゲン免疫療法のように体質を大きく変化させる力があるかも知れません。
例えば、アレルゲンをためるバケツを大きく出来るのではといった感じです。
なぜヒカル先生はこのように感じるかというと、ヒカル先生は40台に突入してもいまだ花粉症ではありませんし、アレルゲンはひとつもありません。
ヒカル先生はずっと前から電気磁気治療器を使っているのですが、きっと体内のバケツはどれも大きいのでしょう。
ですから、皆さんの身体にだって同じような効果が期待できると思います。
アレルギーを何も持っていない人でも、ヒカル先生に騙されたと思って電気磁気治療器を使ってみる価値は有ると思います。
ですが、蜂に刺されるような突発性のアクシデントは流石の電気磁気治療器も防げませんから、これは自己責任で防いでください。
それでは今回はこの当たりでお終いとなりますが、いつもよりも長めでありながら雑談が少なめでしたね。
まぁ、一般的に健康コラムは雑談が目的ではないですけどね。