ラグビーと怪我

2019年秋、日本代表ラグビー選手達の大活躍に日本全国が感動と勇気を頂きました。
日本で開催されたラグビーワールドカップ2019にて、日本代表は予選リーグのプールAで格上の強豪国アイルランドやスコットランドと激突。
我らが日本代表はプールAを1位で突破、しかも全勝という素晴らしい結果を残しました。
この結果にはスポーツに疎いヒカル先生だって、興味と興奮を隠せません。
準々決勝は先日の10月20日に行われ、Wカップで2回の優勝を誇る強豪の南アフリカとの対戦でした。
ここは惜しくも負けてしまいましたが、日本代表ラグビー選手達の必死の健闘に、皆さんも大歓声を上げて応援されたことでしょう。
それにしてもヒカル先生がこんなに大興奮してしまうほど、ラグビーって面白いスポーツだったんですね。
タックルされても前に前に進む選手達、倒れても必死にボールを守りすぐさま仲間がサポートする姿、そして試合が終ればノーサイドで互いの健闘をたたえ合う、これぞ紳士のスポーツです。
今回のラグビーワールドカップ2019を期に、日本ではラグビーが急速にメジャーになり競技人口も一気に増えていくことでしょう。
しかしながら健康マニアのヒカル先生としては、ラグビーのような激しいスポーツはどうしても怪我が心配になってしまいます。
スポーツに怪我は付き物とはいえ、大会が進むほど選手達は体のあちこちにテーピングをしています。
軽い打撲や捻挫ならば、無理を押して試合に出場している選手も多いことでしょう。
でも打撲や捻挫だからと言っても、軽く見てはいけません。
受傷した直後の初期治療をおざなりにすると、回復が長引き後遺症が後々まで残ることもあるのです。
またヒカル先生くらいの年代の方であれば、お子様の運動会で走って怪我をしてしまう人はけっして珍しくはありません。
そこで今回ヒカル先生は、打撲や捻挫、それに脱臼や骨折などの応急処理の基本である「RICE(ライス)」についてお送りすることにしました。
打撲と捻挫

まずは打撲と捻挫の特徴を簡単に説明しましょう。
打撲と捻挫は外部からの強い力を人体に受けたときに、皮膚、筋肉、靭帯、血管、神経などを損傷する怪我のことです。
打撲は「打ってたたく(撲)」と書く通り、体をぶつけた時に起こる怪我です。そのため、「打ち身」と言うこともあります。
一般的に起こる症状は、患部の内出血や腫れです。
重度の打撲では「骨挫傷」と言って、骨の内部が傷つくこともあります。
骨挫傷はレントゲン検査では分かりません。
通常は1~2週間で治ってくる打撲の痛みが治まらず、これはおかしいとMRI検査を撮って判明するパターンが多いですね。
また内出血が酷いと神経や血管を圧迫して、血行障害から手足の麻痺が起こる場合もあります。
一方の捻挫は、「捻じってくだく(挫)」と書き、足首などの関節を強い力で捻ったときに起こります。
関節周囲の靭帯を痛めた状態であり、打撲と同じく内出血や腫れを伴います。
捻挫には、靭帯がわずかに伸ばされた軽症のものから、完全に断裂してしまう重症のものまであります。
断裂となればまず手術を要しますし、実は骨折もしていたなんて場合もあります。
とくに捻挫で注意すべき部位はヒザです。
ヒザは人体の体重を支える重要な部位ですから、ヒザの捻挫を放置していたことで将来に変形性ヒザ関節症が起こる場合もあります。
打撲や捻挫は日常的な怪我として軽視されがちですが、たいしたことはないと侮ってはいけません。
また怪我の直後に行う応急処置によって、その後の経過が大きく変わります。
その応急処置の基本がRICEなのです。
RICE(ライス)とは

RICEとは、下記の4つの単語の頭文字を取った造語です。
Rest(安静)
Ice(冷やす)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
それではひとつひとつ説明していきますよ。
<Rest(レスト)> 安静
怪我をした箇所や痛む部位は、むやみに動かしてはいけません。
椅子に座るよりも安定した姿勢を取るため、なるべく寝かせてあげましょう。
あて木などを添えて包帯やテープで固定するなど、患部が動かないようにすることが大切です。
また包帯やテープがなければ、ベルトやハンカチなどでも代用できます。
<Ice(アイス)> 冷やす
怪我をした直後の患部は炎症して腫れてきます。
まずは患部を冷やすことで炎症を抑え、腫れを引かせることが大切です。
Iceにはその名の通り氷や冷水、コールドスプレーなどを用いますが、患部に直接当てると冷えすぎてしまい、逆に凍傷になりかねません。
氷や冷水はビニール袋などに入れて、タオルなどを包んでから患部に当ててください。
また怪我をした直後から1日(24時間)が痛みのピークです。この期間はしっかりと冷やすことに注力しましょう。
<Compression(コンプレッション)> 圧迫
外傷がなく出血はなくとも、怪我をすれば皮膚の内部は少なからず内出血を起こしているものです。
包帯などで軽く圧迫して止血することが大切です。
ですが無理に圧迫すると血行障害を引き起こしますので、長時間の強い圧迫は禁物です。
包帯は数時間ごとに巻き替えて、徐々に緩くしていくと良いでしょう。
<Elevation(エレベーション)> 挙上
挙上とは高く上げるという意味です。
患部を心臓よりも高い位置に挙げておくことで出血を抑え、腫れやうっ血、浮腫みを抑える効果があります。
足の怪我の場合、マクラなどを足の下に置いて横になると、自然に挙上の姿勢が取れます。
応急処置と言うと「大変なことをしなくちゃいけない」と思われるかも知れませんが、RICEのひとつひとつを見れば決して難しいことはありません。
簡単に言えば、「身体を無理に動かさず、患部を冷やして安静に」と言うことですからね。
また最近はRICEから「P」と「S」が増えて「PRICES」と言う場合があります。
PはProtectの保護、SはStabilizationの安定やSupportの固定という意味です。
つまり「保護、安定、固定」がRICEに加わることになるのですが、基本的な対処方法はRICEと同じですよ。
まとめ

いかがでしたか。
今回ヒカル先生は、怪我の応急処置の基本であるRICEをご紹介しました。
RICEは打撲や捻挫だけではなく、骨折や脱臼、肉離れの対処にも使える基本中の基本ですから、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
しかし、このRICEにはひとつ注意が必要です。
それは患部を冷やすIce(アイス)の後です。
患部を冷やすのは怪我をした初期、急性期の痛みを取る方法ですが、腫れが引いたあとに冷やし続けてはいけません。
次は患部を温めて上げる「Heat(ヒート)」に切り替えます。
怪我をしてから約1日を過ぎたころから、身体は自然治癒力を発揮して修復を開始します。
そのときに重要な役割を担うのが、ヒカル先生がいつも口酸っぱく言っている「血液」です。
血液は身体の修復に必要な栄養素やホルモン、傷ついた細胞から老廃物を回収します。
このプロセスに身体が入ったときに、Ice(アイス)で身体を冷やしては血液の流れを阻害してしまいます。
冷湿布から温湿布に変えたり、お風呂に入ったり、マッサージをするなど、身体を温めて血行促進に努めましょう。
またヒカル先生がお勧めする磁気には血行を促進する効果がありますから、この場面に電気磁気治療器があれば大活躍です。
電気磁気治療器が発する交流磁気ならば、身体の内部を浸透するように入っていきますので、深層の筋肉でも骨の中だって血行促進できます。
プロのアスリート達にも電気磁気治療器は選ばれる一品ですから、ラグビーのような激しいスポ―ツをされる方にはとくにおススメですよ。
このようにRICEにHeatを加えることが、早期に怪我を治すポイントです。