4月の電車

ヒカル先生は電車通勤をしているのですが、4月は電車が混みます。
これは春休みが終った学生さん達の復帰もありますが、今年の春から初めて電車通学・通勤をされた人達の存在が大きな要因でしょう。
ヒカル先生は高校生のときに初めて電車通学をしましたが、当時を思い出します。
それから長年に渡り電車通勤をしてきたヒカル先生から、ラッシュ時の電車の乗り方についてひとつアドバイスをしましょう。
電車通学・通勤の初級者によくありがちな例ですが、ラッシュにより目的の駅に降りられないことを心配してか、電車の扉近くに留まって車両の奥に入ろうとしません。
そして車両の奥に入ろうとする人達をブロックすることになって、さらに扉付近が混んでしまいます。
でも奥に入ってしまえば扉付近よりも混み合っていませんし、座っている人が降りれば次に座れる可能性もあります。
扉付近よりも有利なポジションですから、ぜひとも電車の扉付近に立ち止まらず奥に入りましょう。
こんなことを朝の通勤電車で思ってしまったヒカル先生ですが、もうひとつあることを思い出しました。
それはヒカル先生が長年に渡り抱えていた問題です。
現在はその問題に悩まされることは無くなったのですが、おそらく10年近くは悩まされていたでしょう。
通学や通勤の電車内で突然に襲ってくるあの腹痛に。
当時のヒカル先生は、いつ下痢に襲われないかと恐怖を感じていました。
快速電車に乗れば次の停車駅まで10分は掛かりましたから、電車が動き出して間もなく腹痛に襲われるとそれはもう大変です。
お腹の圧迫を軽くするためにベルトを緩めて、手をお腹に当てて、「早く駅に着いて下さい」と必死に運転手さんと神様にお願いしていました。
きっと皆さんだって似たような経験があるでしょう。
実際にこのような症状を抱えている人は少なくなく、駅ごとに下車してトイレに駆け込むことから「各駅停車症候群」とも呼ばれています。
そこでヒカル先生は、この4月から新生活を始める皆さんの応援も込めて、「なぜ通学や通勤の電車で腹痛が襲ってくるのか」をお送りすることにしましたよ。
なぜ腹痛が襲ってくるのか

「各駅停車症候群」は電車に乗ろうとしたら足が動かない、電車に乗ると不安や恐怖を感じる、パニック障害やうつ病の症状のひとつです。
重度になると各駅停車しか乗れない、さらに進行すると電車に乗れなくなることからこのような名前が付けられました。
しかし腹痛に悩まされているけど電車には問題なく乗れるという場合は、「過敏性腸症候群」という状態です。
過敏性腸症候群は男性では下痢、女性は便秘が多いのですが病気という訳ではありません。
ズバリ原因を言ってしまいましょう。
過敏性腸症候群の原因は「ストレスと緊張」です!
過敏性腸症候群による腹痛は、電車に乗っている時だけに起こるわけではありません。
強いストレスや緊張があれば車通勤でも起こりますし、授業中、仕事中だって同様に起こります。
ちなみにヒカル先生は本屋さんに行くとお腹が痛くなります。
この現象は別名「青木まりこ現象」と呼ばれますが、これも過敏性腸症候群ですよ。
ストレスや緊張を受けた脳はストレスホルモンを分泌しますが、男性は腸の働きを強める作用が働きやすく、反対に女性は腸の働きを抑える作用が働きます。
それで男性は下痢に、女性は便秘になることが多いのです。
しかし、このような状態が続くと自律神経のバランスが崩れてしまい、腸が知覚過敏になって下痢と便秘を繰り返す人もいます。
よって過敏性腸症候群には、下痢型、便秘型、混合型の3種類があります。
過敏性腸症候群になりやすい人は下記のような性格の人です。
生真面目、内向的、気が弱い、責任感が強い、完璧主義、神経質など
さらに下記のような生活習慣も原因になります。
過労、睡眠不足、偏った食事、運動不足、不規則な生活など
いかがですか。
過敏性腸症候群に悩まれている人は、思い当たる節が沢山あることでしょう。
4月は学生であれば進学やクラス替え、社会人であれば就職や人事異動など、人間関係や生活環境が大きく変わる新生活の月です。
否が応でもストレスと緊張は高まりますから、過敏性腸症候群に悩まされている方にとっては鬼門の月となるでしょう。
でも大丈夫ですよ。次の章ではヒカル先生の実体験から得た対策を紹介します。
ヒカル先生の過敏性腸症候群対策

過敏性腸症候群の原因はストレスや緊張ですが、常日頃から腸内環境を良い状態に保つことはとても重要です。
腸は食べ物や水分の消化吸収、便の排出などを担う器官ですから、摂取する食べ物や飲み物は大きな影響を及ぼします。
例えば、冷たい物を摂取すると腸内の血行が悪くなりますので、腸の働きが低下します。
基本的にお腹は冷やさないことがポイントですから、アイスクリームやキンキンに冷えたジュースやビールなどは程ほどにしておきましょう。
また辛いものや脂っこい食べ物は腸を刺激しますので、お腹を壊す原因になります。
つまり、ビールのつまみに揚げ物という組み合わせは美味しさ的には最高でも、お腹には大きな負担がかかる組み合わせなんです。
そういえばヒカル先生も年を重ねるうちに、脂っこい食べ物はあまり食べなくなり、ビールよりもお茶が美味しく感じるようになってきました。
うん、ヒカル先生の過敏性腸症候群が緩和してきたころと一致しますね。
次に注意する飲み物としては「牛乳」です。
牛乳は小学生・中学生の給食で出ますから、大人になっても牛乳は欠かせないという人は多いでしょう。
もちろんヒカル先生もそんな大人の一人です。
しかし子供のころは牛乳を飲んでも平気だったのに、成長するとお腹がゴロゴロしてしまう人が増えてくるのです。
これは「乳糖不耐症」と言い、牛乳に含まれるラクトースという乳糖とラクターゼという消化酵素が原因です。
日本人の多くは大人になるとラクトースを分解するラクターゼの分泌が低下しますので、乳糖不耐症の症状により下痢を起こしやすくなります。
ちなみにヒカル先生の乳糖不耐症は高校生から起こりましたが、当時はインターネットの普及前ですし当然に乳糖不耐症なんて知りません。
高校生のヒカル先生は、朝食を牛乳でかき込んで慌ただしく学校に向かいます。
それでちょうど電車に乗った頃に、乳糖不耐症による腹痛が襲ってきたわけですね。
ですから、牛乳が好きな高校生くらいのお子さんを持つお父さん、お母さんは、お子さんに乳糖不耐症のことを教えてあげましょう。
しかしながらヒカル先生は牛乳を飲むとお腹を壊すのに、いまだに飲み続けている理由はなぜ?と思いませんか。
実はヒカル先生、牛乳を毎日飲むことで毎日快便を保っています。
物は考えようで、「牛乳を飲むことは便意を促す手段」として利用しているのです。
ただし、この方法を利用するためには早起きが必要です。
現在のヒカル先生はギリギリまで寝ていることはせず、早起きをして早めの朝食を摂り、出勤するまでゆっくり過ごすようにしています。
そうすると乳糖不耐症による便意が来ても、家のトイレでゆっくりとやり過ごすことが出来ます。
そして腸の中がさっぱりすれば便意に襲われる危険は最小限になりますから、気持ち的にも安心です。
ヒカル先生はこの生活リズムを取り入れたら、突然の腹痛に襲われるかもというストレスや緊張が緩和されました。
便秘症に悩む女性にも有効な方法ですから、牛乳と早起きはぜひともお試しください。
でも、なぜかヒカル先生は本屋さんに行くとお腹がゴロゴロしてしまうのですが・・・
まとめ

過敏性腸症候群はストレスや緊張が原因ですので、一番の対策はストレス解消と緊張する事態の回避であることは言うまでもありません。
しかしストレス解消と言うのは簡単ですが、実際はとても難しい問題です。
また過敏性腸症候群で下痢や便秘が起こっても病気ではありませんので、ヒカル先生は薬に頼る方法はお勧めしたくありませんでした。
そこでヒカル先生は、冷たく刺激の強い食べ物は控えめに、それに牛乳と早起きをお勧めしました。
また早起きをすると自然に早寝になりますから、必然的に規則正しい生活になって自律神経を整える意味でも有効です。
あと、今回のコラムでヒカル先生は青木まりこ現象にチラっと触れましたが、手をお腹に当てる「手当て療法」もいざという時には重宝します。
手当て療法はその名の通り患部に手を当てるだけですが、不思議と痛みが和らぎます。
この効果は手で患部を温めることにより、血流促進による健康効果を得ているのでしょう。
手当て療法、青木まりこ現象に興味がある方には下記にリンクを張っておきますので、この後にコチラのコラムもご覧ください。