毎月定期的にやってくる生理。
年齢と共に身体の変化が起こることで生理も変化します。
徐々に起こる変化に気づかず、大きな病気が隠れていることがあります。
目次
生理痛の主な症状

個人差が大きい生理痛。
我慢できる痛みから、日常生活に大きく影響してしまうほどの我慢ができない痛みを伴うものまで、症状が一人ずつ違います。
生理は本来痛みを伴わないものです。
身体はホルモンバランスにより、日々変化しています。言ってみれば生理痛は身体からのサインです。
生理痛とは、どんな症状を訴える方が多いのでしょうか?
・下腹部が重たい痛い
・腰が重たい痛い
・鎮痛剤が必要な痛さ
・日常生活に支障が出る
・頭痛や吐き気がある
ひとことで生理痛といっても痛みの程度・症状・痛む場所など、同じ女性でも一人一人が別々の生理痛を毎月経験しているといってもいい位、みな症状が違います。
生理痛も個人差があり、痛みの感じ方も差が大きいのです。
昔と今の女性の月経回数を比較した表です。


この表でみると、月経の回数の違いがとても大きい事が分かります。
月経の回数は少ないほうが女性の体に負担をかけないのです。
近年では、初経を迎えるのが早く生涯月経数が昔に比べ約9倍と言われています。
妊娠出産の回数が減ったこと。人工乳の為生理の再開が早まるためです。
母乳は赤ちゃんに栄養を与えるだけではなく、お母さん自身の体を休める事にも繋がります。母乳をあげている時期は生理が再開されません。
ライフスタイルの変化で子宮には大きな負担がかかって、生理痛を起こす原因の一つでもあります。
「月経困難症」とは?

日常生活に支障をきたすほどの生理痛を「月経困難症」といいます。
推定800万人いると言われていて、その中で治療している人は約10%です。
月経困難症は大きく2つのタイプに分けられ、「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」になります。
器質性月経困難症の場合

器質性月経困難症・・・なんらかの病気が隠れている
子宮や卵巣に病気が隠れています。
子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫、クラミジア感染などの病気が原因となり生理痛が起こる場合です。
20代後半から増え症状は生理初日~3日目ごろを過ぎても続き、生理期間以外にも痛みが生じることもあります。
原因として
〈子宮内膜症〉
本来、子宮腔の内側の壁をおおっている子宮内膜細胞が、それ以外の場所で増殖し生理のたびにその場所で出血を繰り返す病気です。
生理と同じサイクルで女性ホルモンの影響をうけ、増殖や出血を繰り返します。
生理のある女性は誰でもなる可能性があり、毎月生理のたびに炎症を起こし、閉経まで少しずつ進行を続けます。
そのため適切な治療法を選んで上手に付き合うことが大切です。
チョコレートのう胞も子宮内膜症の一種で、卵巣内に経血が溜まり大きく腫れ、のう胞が出来る病気です。
〈子宮腺筋症〉
子宮内膜が子宮の内側の筋層内で増殖し、子宮内の壁が分厚くなって子宮全体が大きくなる子宮内膜症の類縁疾患です。
生理時の子宮収縮時に酷い痛みがあります。
重い月経痛、月経過多を伴います。MRIで診断できますが、子宮筋腫との区別が難しいです。
〈子宮筋腫〉
子宮に出来る良性の腫瘍です。女性ホルモンの影響を受けて大きくなります。原因はハッキリわかっていません。
自覚症状のない人も多く閉経後に改善することからも症状がない限り治療の必要はありません。
30歳以上の女性の20%~30%にあるといわれています。
大きさは、大豆くらいからこぶし大の物まで。1個から10個以上とさまざまです。
子宮自体が肥大する為、生理痛がひどく出血量が多くなり貧血症状が出ます。
生理以外でも下腹部痛や性交痛などがあります。中には自覚症状がない人も少なくありません。
代表的なのが、この3つになります。
機能性月経困難症の場合

機能性月経困難症・・・原因の病気がない
思春期から20代前半に多く、原因として考えられるのは、子宮の収縮を促す物質の分泌量が多い・子宮や卵巣が未成熟などの原因があります。
冷えやストレスが原因の生理痛も機能性月経困難症に分類されます。
身体を温め、リラックスして過ごす事が改善方法です。
もちろん我慢する必要はないので、鎮痛薬も上手に使いましょう。
生理痛の原因はさまざまで、対処法も違います。
病気が隠れている可能性もしっかり頭に入れ、上手にセルフケアを取り入れてみましょう。症状が改善しない場合は婦人科を受診されることをおすすめします。
「子宮内膜症」とは?

月経困難症をいくつか挙げましたが、今回は子宮内膜症を詳しくお伝えします。
子宮内膜症は痛みと不妊が主な症状の病気で、近年の女性のライフスタイルや価値観の多様化により増加しています。
長い女性の一生で、子宮内膜症は生理が順調にくる、女性にとって一番充実した時期におこります。
しかもなかなか完全には治らず、閉経を迎えるまでうまく付き合っていかなくてはならない病気です。
この病気の厄介なところは、「妊娠の邪魔をして不妊になってしまうこと」「ガン化してしまう可能性があること」です。
子宮筋腫は閉経とともに小さくなったり、消えたりしますが、卵巣子宮内膜症(卵巣チョコレートのう胞)は40歳を過ぎると卵巣ガンの発生率が高まります。
ですから、卵巣チョコレートのう胞の扱いは慎重になります。直径5センチを超える腫瘍はのう胞摘出術を行い、術後は厳重な経過観察をしていきます。
小さいのう腫でも定期的に観察し、適切な治療や手術が重要なこともあります。
子宮内膜症によって出来る「子宮のう腫」の種類

<しょう液性のう腫>
10~30代の若い女性によく見られる、発症頻度が高い腫瘍の一つ。卵巣から分泌されるしょう液という、サラっとした水のような液体が溜まってできる
<粘液性のう腫>
閉経後の女性に多く、卵巣内にゼラチンのような粘度のある液体が溜まってできる。放置するとかなり大きくなることがあります。(自然に消える事はない)
<皮様のう腫(奇形のう腫)>
脂肪、毛髪、歯、軟骨など体の組織を含んだドロドロした塊が溜まってできます。20~30代の女性に多く起こり、閉経後まれにガン化することがあります。(自然に消えることはない)
<卵巣チョコレートのう胞>
本来、子宮の中だけにあるはずの子宮内膜が、卵巣に発生し増殖を繰り返すことで出来ます。子宮内膜の組織や血液が変色してチョコレート色になります。
皮様のう腫同様、30~40代の女性に多く起こり、40代を過ぎるとガン化するリスクがあります。
子宮内膜症は不妊症との関連も指摘され、原因不明の不妊症患者の約50%に子宮内膜症が存在するといわれています。
経過観察が必要な理由

ガン化すると聞いただけでも大きなリスクと感じますが、のう腫が大きく成長してしまうと違うリスクが生じます。
〈卵巣のう腫茎捻転〉
のう腫が5~6cm近くになると、子宮と繋がっている部分で捻じれ、卵巣のう腫茎捻転が起きやすくなります。
捻転を起こした時の症状として、下腹部痛がありますが捻じれかけて戻ることもあり、いったん痛みが治まります。完全に捻じれてしまうと、卵巣に血液が届かなくなり、壊死を起こします。
〈卵巣のう腫破裂〉
のう腫が5~6cm以上になると、破裂の危険があります。
腹痛や吐き気などの症状が現れ、重症の場合はショック状態で意識不明に陥ることもありこの場合は緊急手術になります。
のう腫が7cm以上は原則として摘出手術になります。
妊娠に関わる臓器なので、のう腫の状態にもよりますが摘出方法は慎重に決めます。
卵巣の病気を早期発見するために…

自覚症状に乏しい卵巣の病気は、進行してから発見されるケースが少なくありません。
そのため早期発見には、やはり定期検診が欠かせません。
30歳になったら、年に1回は婦人科で検診を受けることをお勧めします。
子宮がん検診の際などに、卵巣の超音波診断を受けると、卵巣の腫れの有無もわかり、病気の早期発見につながります。
しかし、診察などに抵抗があり、何らかの異常を感じていてもなかなか受診できない女性も少なくないようです。
婦人科では、患者さんが診療・検査を、不安を感じずに受けられるようきちんと配慮されていますので、身体に異常を感じたら、必ず受診するようにしましょう。
生理痛の症状は血行を良くすると改善する傾向にあります。
お風呂に浸かり温まると生理痛が軽減した経験があると思います。これは血行が良くなることでの変化です。
血行が良くなると、体内にある老廃物等が対外に排出する働きが進みます。
ぜひとも試して頂きたいのが、「交流磁気」による血行改善です。血流が良くなることで生理痛の緩和ができます。
子宮や卵巣の働きはもちろんですが、内臓の働きをサポートしてくれるので体全体の機能回復にも一役かってくれるかもしれません。
適度な運動を取り入れるのも大事な生活習慣の見直しです。
運動をしたような改善が、家にいながら座っていながら、寝ながらも出来る為、愛用者が増えています。