世界3大激痛 群発頭痛

皆さん、6月18日にお送りした
はご覧になっていただけましたでしょうか。
今回ヒカル先生は、尿路結石と並んで世界3大激痛のひとつである「群発頭痛(ぐんぱつずつう)」をテーマにお送りします。
ですが、ヒカル先生は痛みに大変弱いですので、この群発頭痛の痛みを文字にするだけで、手にジワっと冷や汗が出てしまいます。
なにしろこの群発頭痛は、「スプーンで目をえぐられる」とか「刃物で刺される」とか、おだやかではない表現が使われるほどの痛みです。
そのあまりの痛みのために自殺してしまう人もいることから、「自殺頭痛」とも呼ばれ、世界3大激痛へのノミネートも納得の病気なのです。
群発頭痛は20~40代の男性が多く、1000人に1人と言われていますが、ある世界的な著名人が2012年に公表したことで広く世間に広まりました。
皆さん、この世界的な著名人って誰だか覚えています?
ヒントは大ヒット映画シリーズの主人公ですよ。
・・・もう分かりましたね。
そうです。映画「「ハリー・ポッターシリーズ」で主人公のハリー・ポッターを演じたダニエル・ラドクリフさんです。

ダニエル・ラドクリフさんは2012年に群発頭痛を患っていると公表しましたが、あまりの痛みのために複数の仕事をキャンセルするほどでした。
過去には頭痛薬を1日12錠も飲んでしまうこともあり、病気が判明した今でも定期的な通院をされています。
そのほかの著名人で群発頭痛であることを公表している方はおりませんが、1000人に1人が群発頭痛を患っているならば、全国には約12万人の患者がいる計算になります。
しかし日本人は4000万人もの方が慢性的に頭痛に悩まされていると言われておりますので、群発頭痛と気付いていない人もたくさんいるはずです。
ですから、皆さんの周りにも激しい頭痛に悩んでいる方がいましたら、それは群発頭痛かも知れません。
この機会にヒカル先生と一緒に群発頭痛の原因を探ってみようではありませんか。
群発頭痛の特徴と治療方法

群発頭痛の症状にはある特徴がありますので、まずはここから紹介しましょう。
群発頭痛の特徴
・頭の片側だけ、とくに目の奥が痛む
・1日に1回か2回、ほぼ同じ時間に痛む
・痛みは1~2時間くらい続く
・痛みが起こると1~2ヶ月の間で毎日起こる
・痛みが治まっても、半年~2年周期で再発する
いかがですか? けっこうわかりやすい特徴がありますよね。
とくに「ほぼ同じ時間に痛む」という特徴がありますが、明け方に痛みを感じる人が多いそうです。
群発頭痛になりやすい人は20~40代の男性ですが、お酒を好きな人がなりやすいとも言われています。
ちなみにダニエル・ラドクリフさんも過度のストレスからアルコール依存症になり、そのころに群発頭痛を発症しています。
またタバコを喫う方も群発頭痛の危険が高くなってしまいます。
う~ん、やっぱり群発頭痛も多くの病気と同様に、過度の飲酒と喫煙をしている人がなりやすいですね。
もしかしたら、男性に群発頭痛が多い理由はこれかも知れません。
では次に、群発頭痛の治療方法にも触れておきましょう。
<酸素吸入>
医療用の純度100%の酸素を1分間に7~10リットル、15分間に渡り吸入する治療法です。
酸素を吸入すると5分位で痛みが軽くなってきます。
群発頭痛の80%の方に効果があるのですが、なぜ痛みが軽くのか不明です。
ですが、2018年4月から健康保険が適用されましたので、まずはこの治療を試してみると良いでしょう。
<トリプタン薬の自己注射>
トリプタン薬には錠剤、点鼻薬、注射薬の3種類がありますが、群発頭痛には最も効果が速い注射薬が使われます。
注射をすると5~10分位で効き始め、脳の三叉神経の興奮を抑えることで痛みが鎮まります。
副作用としては眠気やめまいがあります。
なお、自分で注射をすることは不安だと思いますが、医師の指導の元で自己注射キットが処方され保険も適用されます。
群発頭痛の原因は血行が良いこと?

皆さん、これからが今回のコラムの本題ですよ。
実は群発頭痛の原因はハッキリと解明されてはいません。
ですが、一般的な説として、
「目の後ろにある血管が拡張して炎症を起こす」
という説があります。
そのため血行を改善する食物や治療は良くないという意見があるのです。
・・・いかがですか。 このコラムの読者の皆さんなら大変驚かれたでしょう。
だってヒカル先生は、毎回のごとく血行の大切さを皆さんに伝えています。
それなのに群発頭痛に関しては血行改善が逆効果だなんて、「それはないよ!」って話ですよね。
しかし!
ヒカル先生はこの説には大きな疑問を持っています。
なぜなら、血管拡張が群発頭痛を引き起こすのならば、前章で紹介した群発頭痛の特徴とは大きな矛盾を生じるからです。
ヒカル先生がとくに矛盾を感じるのは下記の2つです。
◆痛みが起こると1~2ヶ月の間で毎日起こる
◆痛みが治まっても、半年~2年周期で再発する
それでは、その理由を説明しましょう。
血管が拡張することはごくごく自然な事です。
人間は眠るときは自律神経のひとつである副交感神経が働き、血管を収縮します。
起きるころには、もうひとつの自律神経である交感神経に切り替わって、活動するために血管を拡張します。
また、ストレスや緊張によっても交感神経と副交感神経は切り替わりますので、一日の間に何度も血管は収縮・拡張を繰り返します。
ですが群発頭痛には、痛む時期と治まっている時期の周期があります。
群発頭痛が治まっている周期だって、血管は収縮拡張を繰り返していますよ。
血管は縮小したまま、なんてことはありえません。
ね! 皆さんもおかしいと思うでしょう。
群発頭痛の本当の原因とは?

血管拡張が群発頭痛の原因ではないのならば、他にはどんな理由が考えられるでしょうか。
そのひとつは「自律神経」です。
脳は自律神経を通して全身に指令を出していますが、ストレスや過度のアルコール摂取は自律神経を乱します。
さらにヒカル先生は、この自律神経の乱れに加えて、「体内時計」が関係しているのではと推測します。
体内時計についてはコチラのコラムでも触れています。
体内時計は1日の周期である日周リズムだけではありません。
90分リズム=90分 睡眠サイクルに影響する
日周リズム=1日 体温、血圧、ホルモン分泌に影響する
週周リズム=1週間 食欲や活動量に影響する
月周リズム=1ヶ月 月経、肌の周期に影響する
年周リズム=1年 季節による体調変化に影響する
このように体内時計には月単位、年単位の周期もあります。
それでは、ここからはヒカル先生の推測の世界となりますが、あくまでもひとつの説としてお読みくださいね。
ダニエル・ラドクリフさんのように群発頭痛を発症してしまう方は、過度のストレスとアルコール、そして昼夜逆転の生活などで、体内時計が大きく狂っている可能性があります。
そうすると、自律神経にも大きな負担がかかり、分泌されるホルモンにも異常が起こります。
例えば、昼夜逆転している方のホルモンを例にとると、
・本来は朝に分泌される「セロトニン」が夜に分泌される。
・「セロトニン」を材料として作られる睡眠ホルモンの「メラトニン」が夜ではなく、朝に分泌される。
といった、ホルモン分泌の逆転現象が起こります。
このようなホルモン状態では当然に睡眠の質は下がりますし、疲労回復もままなりません。
健常な成人であればすぐに悪影響は出なくとも、近い将来に悪影響が出てしまうことは否めません。
ただし、この悪影響が群発頭痛であるとは言い切れないのですが・・・
まとめ

いかがでしたか。
今回は世界3大激痛のひとつである群発頭痛をテーマにお送りしました。
そして、群発頭痛の原因として一般的に言われている血管拡張にヒカル先生は異議を感じ、ヒカル先生なりに原因を究明してみました。
その結論として、ストレスや生活習慣の乱れによって自律神経と体内時計が大きく狂ってしまったことではないかと推測を巡らしてみたわけです。
なにしろ体内時計は太陽の光を浴びることでリセットされるのですが、現代人の問題として昼夜逆転の生活があります。
そうすると人体のバランスを保つシステムである「ホメオスタシス」が狂ってしまい、様々な不調が現われてくるのです。
ちなみに頭痛の種類には、群発頭痛以外にも緊張型頭痛や片頭痛があります。
緊張型頭痛や片頭痛は、ストレスなどから自律神経が乱れ、血行不良が原因となりますが、痛みを緩和するためにはマッサージや入浴等でリラックスして血行改善を図ることが基本です。
それなのに、群発頭痛だけは血行が良いと痛みを発するという説は、あまりにも不自然と感じます。
何といっても血行改善は健康、病気予防の基本ですからね。
でも今回の説はあくまでもヒカル先生の推測です。今後は群発頭痛が一般的に知られるに従って、専門機関で研究が進み原因が解明されることでしょう。