緑内障と白内障
皆さん、2018年3月9日にお送りしたコラム
はご覧になっていただけましたでしょうか。
実はヒカル先生、このコラムをご覧になられた複数の方から、ある同じ質問を受けてしまいました。
それは・・・
「緑内障と白内障って何が違うの?」
という質問です。
確かに緑内障と白内障は同じ目の病気です。
漢字にすると「緑」と「白」が違うだけですから、なんだか深い関係がありそうな気がしますよね。
でも、緑内障と白内障は同じ目の病気でも、全く違う病気です。
そこで今回のコラムでは白内障を詳しく説明しながら、緑内障と白内障の違い、そして意外な共通点と治療法を模索していきますよ。
病名の意外な由来

最初に緑内障のおさらいから始めましょう。
緑内障の自覚症状はどのようなものだったか、皆さん覚えていらっしゃいますか?
そう、「視野が欠ける」という症状でしたね。
緑内障は視神経の障害により、どんどん見える範囲が狭くなっていき、やがて失明してしまうという怖い病気です。
一方の白内障ですが、こちらも失明の危険性がある病気であり、視力が低下していきます。
白内障の見え方は、霧がかかっている時のように、モヤっとボケた感じに見えるのが特徴です。
なぜこのように見えるかというと、私達の眼の中にあるカメラでのレンズの役割をする「水晶体」が老化して白く濁るからです。
そのため「水晶体が白く濁って瞳が白く見える」ことが由来し、白内障と名付けられました。

でも、このように白内障の名前の由来を聞くと、
「じゃあ緑内障は水晶体が緑になるの?」
「緑内障の人の瞳は緑に見えないけど?」
という疑問が湧いてしまいますよね。
ヒカル先生も同感です。
確かに私達日本人の黒い目は、緑内障になっても瞳が緑になることはありません。
では、なぜ緑内障という名前になったのでしょうか。
その由来は諸説があるのですが、有力な説としては古代ギリシアのヒポクラテスの下記の言葉です。
「地中海の海のように青くなり失明する」
でも、これは白人の青い目の例え話です。
もしヒポクラテスが日本人の黒い瞳をみていたら、もっと違う名前になっていたかも知れませんね。
白内障が起こる要因

白内障が起こる要因はいろいろとあります。
最も多いのが「加齢性白内障」、いわゆる老化性による白内障です。
白内障は80代になるとほぼ100%の人がなると言われるほどであり、早ければ40代から発症してしまいます。
「え~! 40代で老化性の白内障?」
という声が聞こえましたよ。
そうですよね。いくら何でも40代で白内障は早すぎる、という気がしますよね。
でも、若い年代から白内障になってしまう人には、ある共通項があります。
それは若年層が白内障になるのは遺伝的な要素の他に、アウトドアが好きな方、外仕事をしている方に多い傾向があるのです。
この理由としては「紫外線」の影響が大きいと考えられています。
つまり晴天の太陽の下でレジャーを楽しむことが好きな人、お仕事の都合で外仕事が多い人は必然的に大量の紫外線を浴びがちで、眼にダメージが蓄積してしまうのです。
仕事中は難しいかと思いますが、紫外線予防にはサングラスが有効ですので、上手くサングラスを使って眼球を光から保護してあげたいものですね。
そのほか、加齢や紫外線以外にもアトピー性皮膚炎から白内障が発症したり、ステロイド薬が白内障を引き起こすことも分かっています。
また、特に糖尿病の方は注意が必要です。
糖尿病は血液中の糖分が多い状態、いわゆる「高血糖」が続き、血管や神経、腎臓や目などに障害を与えてしまいます。
とくに糖尿病の3大合併症として、「神経障害」、「腎症」、「網膜症」が有名ですね。
この中の「網膜症」は白内障と同じく目の障害ですので、網膜症について簡単に説明します。
眼の奥にある網膜には多くの毛細血管がありますが、糖尿病で毛細血管が詰まってしまうと、新たな毛細血管(新生血管)が作られます。
この新生血管は非常にもろく、ちょっとした衝撃でも出血してしまいます。
そしてこの出血が原因となり、網膜剥離から失明してしまう危険が高まってしまうのです。
では話を白内障にもどしますよ。
水晶体は年齢を重ねることで白濁していきますが、糖尿病の方は自分の年齢よりも老化の進行スピードが速く、早期に白内障を発症する確率が上昇します。
これは「糖尿病白内障」と呼ばれ、「真性糖尿病白内障」と「仮性糖尿病白内障」の2つがありますが、詳しいメカニズムは明らかになっていません。
糖尿病についてはコチラの記事でもまとめているため、合わせてどうぞ。
血行改善と白内障

白内障を治す手段としては手術しかない、というのが一般的な見解です。
白内障手術では、白濁した水晶体を取り除き人口レンズを挿入します。
文字で説明すると、とても大変な大手術のように思えてしまいますね。
しかし、現在では日帰り手術も普及しており、町の眼科でも手術ができるほどにポピュラーな手術です。
ですが、例えどんなに簡単な手術だとしても、なるべくなら手術をすることは避けたいものですよね。
そこで、ヒカル先生は手術以外の方法として、前回の「【緑内障】眼圧低下には血行改善を」にて、
日本眼科学会認定専門医であり、栃木県下野市で「回生眼科」を営む山口康三先生がおススメする、1日1万3千歩のウォーキングを紹介しました。
実は、山口康三先生によると1日1万3千歩ウォーキングは、緑内障だけではなく白内障にも有効との見解をお持ちです。
≪ウォーキングと目の改善メカニズム≫
1)歩くことで全身の血流がアップ、目の毛細血管の血流も改善。
2)目に酸素や栄養が行き渡り、老廃物が排出される。
3)視神経や網膜の細胞が活性化する。
4)水晶体の白濁や硬直が和らぐ。
山口先生は血流が悪いと全身にさまざまな病気を招き、目にも不調が現れるのは当然のこととおっしゃいます。
実際に白内障の方の眼底の毛細血管をみてみると、ドロドロの血液で著しい血行不良に陥っている方が多いそうです。
それで患者さんにウォーキングだけではなく食事等も含めた血行改善を指導したところ、なんと3000人以上の方が白内障を始めとする目の病気が改善したそうです。
さらに山口先生は緑内障・白内障だけではなく、あらゆる目の病気は血流が良くなることで改善するともおっしゃっております。
まとめ

私達の体は新陳代謝により、毎日1兆もの細胞が生まれ変わると言われます。
そして細胞が生まれ変わる期間については色々と諸説があるのですが、全身の60兆の細胞は、わずか3~4ヶ月間ですべて生まれ変わるという説もあるほどです。
ここで重要なことは、全身の血流が改善されて体質が良くなると新たな細胞は若々しく元気な細胞で生まれ変わるということです。
これはとてもすごいことだと思いませんか!
白内障や緑内障といった手術以外に良くなる方法がないと思われる病気であっても、大きな光明が見えてきますよね。
最後に、ヒカル先生は40代です。
40代は健康であった時期と病気になる時期の境目であり、特に目の問題は深刻です。
なにしろ、白内障や緑内障に加えて老眼も気になってくる年代ですから。
ほんと、40代は健康に気を付けないといけない年代なんですね。
40代の皆さん、ぜひともこの機会にヒカル先生と一緒に健康マニアになりましょう!
もちろん、20代・30代の若い方、年配の方も大歓迎ですからね。
お待ちしております!