コロナ渦で隠れた大問題、アフリカ・中東で大発生したバッタ被害が日本に及ぼす影響

2020年に発生した世界的な大問題といえば新型コロナウイルスですが、もうひとつの大問題があります。それが大量に発生したバッタ被害です。その影響は農作物だけにとどまりません。

 

コロナ渦で隠れた大問題 「蝗害」

ゴールデンウィーク直前になって4都府県に緊急事態宣言が発令された新型コロナウイルス問題。

ヒカル先生は千葉県住まいですが、昨年に続き外出自粛のゴールデンウィークになりそうです。

でも世界各地で発生した変異種のコロナウイルスが日本にやってきている事態ですから、ちょっとの不具合は我慢しなくてはなりませんね。

ところで皆さん、コロナ渦で隠れた感じになっていますが、世界ではコロナ渦に匹敵するレベルのもうひとつの大きな問題が起こっています。

それは「蝗害(こうがい)」、大量に発生したバッタによる被害です。

この蝗害は2020年に日本でも話題になりましたが、コロナ渦にかき消されてほとんど話題に上がることはなくなってしました。

しかしながらコロナ渦と同様にその被害は拡大中、やがて日本にも被害が出る可能性は否定できません。

 

昨年の1月に中国で新型コロナウイルスが発見されたころ、アフリカ東部でサバクトビバッタが大量発生してしまいました。

そのサバクトビバッタがアラビア半島を経由してインドまで飛来したことで、もしかしたら日本にもやってくるのでは?と懸念されていたのです。

 

しかし日本は島国ですので、飛来するとしても広大な外海を渡る必要があります。

そのため、さすがに日本到達は不可能だろうとヒカル先生は思いましたが、今回発生したサバクトビバッタは相当な強者達です。

なぜならアフリカのサバクトビバッタは実際に海を渡っています。

風に乗って1日に100キロメートル以上飛ぶことができるサバクトビバッタですが、通常は海を渡る能力はありません。

しかし海上で力尽きたバッタ達が後続の足場となって、仲間達は異国の地にたどり着いたそうです。

いかがですか、このサバクトビバッタ。恐くなるほどの根性というか執念の持ち主でしょう。

また小さなバッタ達が海上の足場になったということは、相当数が発生したと想像がつきますよね。

 

2020年1月にケニアで発見された群れは、なんと700億匹!

群れの大きさは東京都の面積2194平方キロメートルを超える、2400平方キロメートルにもなっていたそうです。

う~ん、これだけで大作映画の目玉シーンが出来そうな感じです。

ヒカル先生は昆虫を苦手としているわけではありませんが、これを想像しただけで寒気がしてしまいましたよ。

 

なおサバクトビバッタは多食性で、コメ、小麦、トウモロコシ、果物、野菜はもちろん雑草や樹皮だって食べてしまいます。

700億匹のバッタは1日で13万トン以上の作物に被害を及ぼしたと言いますから、バッタが通ったあとは目も当てられない惨状だったでしょうね

 

もしこんなサバクトビバッタが日本にやってきたらコロナ渦とのWパンチに見舞われることになりますが、幸いなことに2020年の日本襲来は避けられました。

どうやらサバクトビバッタは渡海ルートではなく大陸横断ルートを選び、ヒマラヤ山脈を越えようとしたようです。

ですが、さすがのサバクトビバッタも世界の屋根超えは不可能でした。

なにしろヒマラヤ山脈は8000m超えの山々が連なる極寒の世界、そうやすやすと突破できるものではありません。

 

ところで皆さん、サバクトビバッタのヒマラヤ超えは無理と聞けば、寒さで全滅したと思うでしょう。

ところが今回のサバクトビバッタは通常では考えらない行動を取ったのです。

 

なんとヒマラヤから引き返し、インドや中東、アフリカに舞い戻って被害を出し続けているのです。

やっぱり今回のサバクトビバッタは、恐ろしい根性と執念の持ち主でした。

 

 

日本の蝗害とバッタの変形

サバクトビバッタは日本にいる昆虫ではありません。しかし日本にもサバクトビバッタと同様の性質をもつバッタが生息しています。

それがトノサマバッタです。

 

2007年には関西国際空港で、約4000万匹のトノサマバッタが大量発生という事件がありました。

空を覆いつくすバッタの大群はパイロットの視界を遮ってしまいますし、エンジンの故障を引き起こすことも考えられます。

関西国際空港は人工島に建設されていることで住民への被害は少なかったのですが、薬剤を散布する駆除に1ヵ月かかりました。

航空機の墜落という大惨事が起こらなくて本当に良かったです。

 

他にも1986年に鹿児島県の馬毛島で3000万匹のトノサマバッタが発生、古文献では北は北海道、南は沖縄まで蝗害被害が記録されています。

 

なお、外国のバッタであるサバクトビバッタの姿は分からなくとも、トノサマバッタなら見たことがありますよね。

体長は5cm前後、体の色は一般的に黄緑をしていますが、なかには薄い茶色の個体もいます。

 

黄緑の個体は「孤独相」と言って群れを作らず1匹で行動、これと言って被害を及ぼすことはありません。

一方、薄茶色の個体は「群生相」と呼び、巨大な群れを作り悪食となって、農作物に多大な被害を与える害虫となります。

体は「孤独相」よりも小さく細く固く、羽が長くなり長距離飛行に向いた体形をしています。

この性質はサバクトビバッタもトノサマバッタと同様です。

なお孤独相と群生相のバッタの違いは遺伝によるものですが、孤独相から群生相に変形することもあります。

バッタの仲間は集団密度が高くなると群生相に変化、密度がより高くなるほど群生相の特徴が強く現れます。

また群生相は繁殖能力が高く、あっという間に大きな群れを作ってしまいます。

 

まとめ

2020年に発生した蝗害は現在も進行中ですが、生息地の農作物をことごとく食い荒らし、現地の人々は食糧危機にさらされています。

また農作物で得る収入も失われることになり、経済的なダメージは測り知れません。

 

なお蝗害は世界をまたぐ被害をもたらしますので、国連食糧農業機関(FAO)が中心となって駆除に取り組んでいます。

しかし蝗害対策には莫大な資金が必要であり、FAOの活動資金も不足の事態になりつつあるのです。

2020年の12月、FAOは40億円以上の追加資金が必要と発表しています。

 

なお現段階では日本に外国のバッタが大量に飛来する可能性は低いですが、現在のフードシステムは世界中が複雑につながっています。

 

世界の蝗害が拡大すれば、世界中の食料、経済、交通インフラなどにも多大な影響が出て、間違いなく健康被害も発生するでしょう。

 

2020年の蝗害は日本から遠く離れた外国での出来事ではありますが、コロナ渦のように世界が危険に扮する問題なのです。

 

私達一人一人が出来ることは限られています。しかしながら世界の実情に目を向けて自らの頭で考えれば、出来ることがあるかも知れません。

ヒカル先生は小さな影響力しかありませんが、このサイトで色々な情報を発信することで、より大きな影響力をもった皆さんに情報を伝えることができますからね。

 

それでは最後に参考サイトを2つ紹介します。こちらを読むとよりサバクトビバッタ問題が理解できますので、ぜひご覧ください。

 

FAOの日本窓口となるFAO駐日連絡事務所のサバクトビバッタコンテンツ

http://www.fao.org/japan/portal-sites/desert-locust/en/

 

国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター 前野浩太郎氏のクレジット

https://www.jircas.go.jp/ja/program/program_b/desert-locust