第六の感覚

こんにちは、ヒカル先生です。
突然ですが、皆さんの周りにひとり位は、「特別な方向感覚を持っているなぁ」って人はいませんか?
例えば、初めての場所でろくに下調べもしていないのに道に迷わない、一度行ったところなら何年経っても迷わず行ける、なんて人です。
もちろんこれはカーナビやグーグルマップを使って、なんてオチではないですよ。
実はヒカル先生の友人に、「お前は野生動物か!」という位に方向感覚に優れた人が居ます。
この彼とはもう20年以上も前からの付き合いなのですが、一緒に出掛けるとそれはもう楽ですよ。
古い話で恐縮ですが、ヒカル先生が運転免許証を取得した頃はカーナビの普及前、車には本の道路地図を備えていることが普通でした。
でも彼は道路地図による下調べはそこそこに、助手席のヒカル先生によるサポートもほとんど必要としないで目的地に着いてしまうんです。
しかも、渋滞しているからと予定していた道を迂回しても迷うことはありません。
それはもう体内にGPSでも仕込んでいるのかと思う位なのですが、本人曰く、「俺は第六感に目覚めている」なんて言い放ちます。
いや~、カーナビやスマホナビが普及した今では凄さが伝わらないかも知れませんが、ヒカル先生と同年代より上の方ならばきっと分かってくれるでしょう。
しかしながら、私達には視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感がありますが、映画「シックス・センス」では霊感が第六の感覚でした。
そして霊感の他には直感を第六感と言う場合もあります。
ですが霊感も直感も科学的な根拠はありませんから、現実的な五感とはちょっと違うかも知れません。
ところがここ最近になって、科学的に「第六感」が発見されたのです。
その六感はなんと、ヒカル先生とは切っても離せない「磁覚」でした!
磁覚の発見

磁覚については、数年前からアメリカのカリフォルニア工科大学にて研究が進められています。
カリフォルニア工科大学といえば世界最高峰の理系大学であり、これまでに30人以上のノーベル賞受賞者を排出しているほど、世界中から優秀な頭脳が集まる超名門高です。
そんなカリフォルニア工科大学は、我らが日本が誇る東京大学と共同研究を行っており、さる2019年3月19日に発表をしました。
それによると、「磁覚」は「第六感」とも呼べる無意識の潜在的な能力であり、今後の研究により何らかの利用法が見つかる可能性がある、とのこと!
以下は産経新聞 2019年3月19日からの抜粋です。
地球は北極がS極、南極がN極の巨大な磁石で、位置に応じて方向が異なる地磁気を帯びている。
渡り鳥は地磁気を感じる能力をコンパスのように使って方位を正確に把握し、季節に合わせて移動している。
人間の感覚は視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感だけで、磁気を感じる力はないとされていた。
研究チームは地磁気を遮断した室内で、日米など18~68歳の男女34人の頭部を地磁気と同程度の強さの磁気で刺激する実験を行った。
その結果、磁気の向きに応じて無意識のうちに脳波が異なる反応を示したことから、人間は地磁気を大まかに感じ取る能力を持つと判断した。
地磁気を感じる「磁覚」は渡り鳥のほかサケやミツバチなど多くの動物が持っており、人間も以前は持っていたが退化したとみられている。
ただ、人体には磁気を感じ取る働きがあるとされるミネラルやタンパク質が多くあることから、利用できなくても感じ取る力は残っていたらしい。
チームの眞溪歩(またに あゆむ)東大准教授は「人間に未知の第六感があることが確認された。
これを意識的に利用することは非常に難しいが、今後さらに詳しく調べて探っていきたい」と話している。
いかがですか。第六感は磁覚ですよ。なんかワクワクしてくるでしょう。
うん? なんか反応がイマイチのような・・・
もしかしたら新聞の抜粋を読むだけでは分かりにくいかも知れませんね。
よし! 次章ではヒカル先生がこの磁覚の研究と可能性について、もう少し分かりやすく説明するとしましょう。
磁覚の研究と可能性

産経新聞の抜粋記事には、磁覚を持っている渡り鳥の一例がありました。
渡り鳥の体内には地球が発する磁気(地磁気)を感じるセンサーがあり、GPSを使うカーナビのように地球上の地図に自分の位置を映し出しています。
この能力により、地球を横断するような長距離の大飛行であっても正確に目的地にたどり着けるのです。
磁覚を持っている動物は、渡り鳥、サケ、ミツバチだけではありません。
海の中ではイルカやクジラ、ウミガメ、イセエビ、回遊魚など。
身近な動物では犬、ネズミ、牛、鹿、コウモリなど、ショウジョウバエやゴキブリなどの昆虫も磁覚を備えていることが判明しています。
実際にはもっと多種多様な生物に磁覚が備わっていることでしょう。
しかし磁覚のメカニズムについては謎が多く、さらなる研究が必要です。
諸説としては、目の網膜にある青色光を感知する「クリプトクロム」というたんぱく質が関与している説、体内に「マグネタイト」という磁石がコンパスの針として機能している説などがあります。
次に今回の研究では、34人の男女の頭部を地磁気で刺激して脳波の状態を調べています。
しかし地磁気により実験室の磁場が変化しても、それを感知できる人は一人もいませんでした。
ところが34人のうち4人の脳は反応して、あきらかに脳のアルファ波が減少していたのです。
アルファ波は何もしない時にでも発する脳波ですが、1秒間に10回程振動しています。そして光や音などの刺激を受けると、振動が減少するという特性があります。
そのためアルファ波が減少した4人は、脳が地磁気の刺激を感じたことを意味します。
しかもこの現象は、地球の自然な地磁気と同じ方向から発した場合のみ計測されたとのこと。
人間の脳は、磁気の刺激を受けると電磁誘導という現象が起こり、脳に電流が流れることが知られています。
カリフォルニア工科大学の地球生物学者ジョセフ・カーシュヴィンク教授によると、アルファ波の低下は脳内のニューロンが磁場に反応した結果と解説しています。
ニューロンとは情報処理と伝播能力に特化した神経細胞であり、脳にはニューロンが数百憶個とも千億個ともあると言われています。
しかし、脳が磁気に反応することは間違いなくとも、現段階ではどのような現象が現れるかどうかは分かっていません。
でも、ヒカル先生は霊感や直感が六感と言われていたことを考えると、もしかしたら磁気によって覚醒した脳は予知能力のような超能力を発揮するかも知れませんよ。
もちろんこれはヒカル先生の想像上の話ですが、もし超能力を使えると考えただけでもワクワクしてくるでしょう!
まとめ

磁覚が私達に備わっていたら、一体どんなことに役立つでしょうか。
研究チームのひとり、眞溪歩(またに あゆむ)東大准教授は、今回の磁覚についてこんなことをおっしゃいます。
「それは一生懸命考えているんですけど、直接これというのはなかなかなくて・・・」
あれ? せっかく第六感の磁覚の発見によって大変な盛り上りをみせてきたところですが、ちょっと雲行きが怪しくなってきました。
でも眞溪さんは次のようなコメントも残しています。
「人間の意識と無意識の状態を比べると、エネルギーの80%ぐらいは無意識の方で使っていると言われています。ですから磁場は、きっと無意識の状態で行われる判断などに影響を与えているのだろうと思います」
これに加え、「人間の祖先は地磁気感受性を持っていた」ともおっしゃっております。
いかがですか。
このようなコメントを見てみると、人の磁覚についての可能性は果てしなく広がりませんか。
ヒカル先生は、人間の祖先が地磁気感受性を持っていたのならば、私達のDNAに磁覚を感知する遺伝子があっても不思議ではないと思います。
また、磁気の刺激は脳に電流を発生させますが、TMSと言って磁気の刺激により脳の認知機能を回復する治療も行われています。
私達が住まう地球は大きな磁石ですが、きっと磁気は水、空気、太陽と同じ位に大切なエネルギーなのでしょう。
このコラムを書きながらヒカル先生は、磁覚の無限の可能性に心が震えています!