「もっと眠りたいのに1時間ごとに目が覚めてしまう。」
「寝る時間は確保してるのに寝足りない。」
「深い眠りにつきたい。」
「疲れているのに眠れない」
このように、睡眠時間が短いわけでもないのに熟睡感が得られない方は多いのではないでしょうか。
夜中何度も目が覚めたりするにも関わらず朝の目覚めは悪く、日中に眠くなったり体のだるさが改善されなかったりと生活に支障をきたす場合もあります。
眠りの浅い睡眠とは

「ぐっすり寝れた!」という間隔は、ノンレム睡眠の量が関係してると言われています。
私たちの睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2つの睡眠があります。
睡眠時にはこの2つの睡眠が交互に繰り返されることによって、睡眠サイクルが形成されています。
レム睡眠は眠りの浅い睡眠で、ノンレム睡眠は眠りの深い睡眠です。
すなわち眠りの浅い睡眠とは、ノンレム睡眠の量が少なく眠りの浅いレム睡眠が大半を占めているという状態です。
また、レム睡眠とノンレム睡眠はそれぞれに重要な役割があります。
レム睡眠は身体の疲労を休め、脳は覚醒状態にあります。
一方ノンレム睡眠は日中に活動した脳を休ませます。
眠りが浅いということは、脳が休まっていない状態になるということです。
ノンレム睡眠が短くなる原因

<自律神経の乱れ>
ノンレム睡眠とは、自律神経である副交感神経が優位に働いている状態です。
ところが何らかの要因で交感神経が優位になると副交感神経の働きが抑制されます。
交感神経は日中活動するにあたり活発になる神経で、身体は緊張状態になります。
そのため、休息とは裏腹に神経は活発になるため、眠りが浅くなります。
<ストレス>
精神的なストレスは自律神経にも影響を及ぼし眠りを浅くします。
またレム睡眠には記憶を整理して心をメンテナンスする役割を持っています。
ストレスが多くなればそれを緩和するために、記憶を整理するメンテナンス量が増えます。
結果、レム睡眠が増えるというわけです。
<冷え性>
体温にはリズムがあり活動的である日中は体温が上昇し、夜になると身体にたまった熱を下げるために放出します。
この体温の変動が入眠のサインとなり、身体は自然と眠りの体勢に入ります。
ところが身体が冷えている方は、日中も体温は上がらないために夜に放出する熱もなく、
逆に体温を下げない為に防御スイッチが入ります。
そのため、体温変動が行われず入眠のサインがでないので、寝付きの悪くなり熟睡もできなくなります。
<メラトニンの減少>
「睡眠ホルモン」と呼ばれる、メラトニンは脳の松果体から分泌されています。
これは日中はあまり分泌されませんが、夜になると分泌量が増えて眠気を誘います。
メラトニンは明るいところでは分泌が減り、暗いところでは増えるものです。
ですので、夜でも電気をつけたままで明るいとなかなか寝付けず、熟睡も難しくなります。
そのほかにテレビをつけたままにしたり、まくらが合わずに眠りにくかったりと、睡眠環境は思ってる以上に睡眠と深く関わっており、寝具にこだわっている人も多いのも納得です。
<加齢などにより体内リズムの崩れ>
これは生理的なもので、睡眠のリズムをつくっているのは体内時計と睡眠物質であり、体内時計は昼に活動して夜に眠るリズムをつくるものです。
そして睡眠物質は活動している時間と比例して脳内で増え、眠ることで分解されます。
加齢などにより活動量が減ると、睡眠物質も減るので眠気がおきにくくなります。
家でダラダラと過ごして夜寝付けなくなり、眠りが浅くなるのもこの為です。
病気のサインの可能性
上記に思い当たる事が無く、睡眠に煩わしさを感じてしまう方は、もしかすると病気を発症しているサインかもしれません。
<睡眠時無呼吸症候群>
眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。
いびきが止むと共に呼吸が止まり、大きないびきと共に呼吸をかきはじめます。
喉まわりに脂肪がついていたり、太った方だけでなく、顎の小さい方も可能性があります。
朝起きたときに喉がからからになっていたり、眠気がある方は注意が必要です。
<むずむず脚症候群>
脚がむずむずするような違和感や不快感を感じ、落ち着かない症状です。
妊婦さんや産後の方にも多く、就寝中に脚が無意識にぴくぴく動く「周期性四肢運動」を伴うこともあり、不眠につながります。
他に、レム睡眠行動障害という夢にあわせて話したり身体を動かし動かしたりしている障害があったり、実際はぐっすり眠れているのに眠れていないと勘違いしているという、睡眠状態を誤認している場合もあります。
心当たりのある方は病院などで診てもらうなど、適切な対処をとるのが賢明です。
セルフケアで快眠できる方法

<体内時計のリズムを整える>
私たちが持っている体内時計では午後10時〜翌午前8時が睡眠時間帯であるといわれています。
また睡眠の最初の3時間のうちに深い眠りに入り、脳や身体を休めて、朝にむけて目覚めへと向かっていくと言われています。
このような体内時計に合わせた睡眠を心がけるとホルモン分泌も正しく行われていき、睡眠の質が高まります。
たとえ睡眠時間が充分に確保されているとしても体内時計と合わない生活を送れば、いつまでも疲労が残ったりストレスに悩まされる事があり、生活に支障をきたします。
また最適な睡眠時間はひとそれぞれ異なります。
無理に長時間確保しなくてもいいと言う事です。
大切なのは睡眠の質を上げることであり、身体のリズムにあった生活の時間帯に睡眠をとることです。
<冷えからきている場合>
先に述べたように冷え性だと、体温の落差による入眠のスイッチが入らないので寝付きが悪くなります。
体温があがる代表的なものは「食事・運動・入浴」です。
身体の火照りは眠りの妨げになるので、入眠の2時間前くらいにこれらを行うのが重要になります。
上がった体温は自然と下がるものなので、やがて眠気が訪れます。
冷えを和らげ快眠を得るには、身体の内から温めて血行を良くすることです。
じっくりと体質から改善するためには生活習慣を見直して無理のない生活を心がける事が大切です。
<ストレスや自律神経からきている場合>
生活してる以上、ストレスは避けて通れないものです。
とくに睡眠に影響がきている場合は、頭の中で常に心配事がぐるぐる回っている状態になっています。
そのような時は、頭の中を整理する為に心配事を吐き出してみるのも解決法です。
またリラックス状態になるためには、自律神経の副交感神経の働きを高めることが効果的です。
具体的には、例えばゆっくりお風呂につかることです。
身体が温まり全身の血の巡りが良くなると、筋肉の緊張がほぐれてリラックスになります。また入浴後の体温低下は入眠にもつながります。
深呼吸することも、副交感神経の働きを高めるのでおすすめです。

まとめ
眠りが浅い時、熟睡感を持てる良質な睡眠をとりたいのであれば、自分の体内時計を知りそれに合わせた睡眠を心がけること、何よりストレスを上手く解消すること。
など少しでもそのつらさが改善できるような対策を取り入れてみるのが大切です。
眠りの悩みはなかなか周りに理解されないものですが、あまり不安を感じ過ぎずに、できることから始めてみましょう。