唐突にヒカル先生は質問をします。
「皆さん、最近、身長を測りましたか?」
このように質問すると育ちざかりのお子さまは楽しそうに、学校等で測った身体測定や友達と背比べをした話をしてくれます。
「●センチも伸びた!」
「〇〇君よりも僕は背が高い!」
と元気よく答えるお子さま。
とても可愛らしい光景ですよね。
ヒカル先生が子どもの時は家の柱を背にして頭のてっぺんの位置に印をつけて、身長の伸び具合を楽しんでいました。
でも、身長の伸びは中学1年から高校生くらいまでの成長期が過ぎると穏やかになります。
女性では17歳、男性では25歳くらいまでが伸びる限界の年齢と言われています。
それもあって、成人になると年に1回の健康診断の時くらいしか身長を測る機会がなくなってしまいます。
ですが、身長って伸びるだけではなく、逆に縮むこともあるのです。
この身長が伸び縮みする理由はいくつかあるのですが、この回答はちょっと置いておいて、もうひとつヒカル先生は質問をします。
「朝と夜で身長を測ると、一般的に高いのは朝?夜?」
・・・皆さん、答えは分かりましたか?
そう、答えは「朝」です。
これは論より証拠で、朝と夜に身長を測ってみるとよいのですが、成人であれば1cm位違うことも珍しくありません。
人によっては2cmも違うっていう人がいる位です。
これってけっこう大変なことだと思いませんか?
「少しでも身長がほしい!」って思う人は、身長測定は朝にやってくれと強くお願いしたいくらいの出来事ですよね。
今回のコラムでは、そんな身長が縮む原因についてお送りします。
楽しみに読み進めてください。
背は伸び縮みする

身長が伸び縮みする理由を簡単に説明していきますが、それには人体の背骨の構造を知る必要があります。
背骨を構成する24個の椎骨(ついこつ)と椎骨の間には、クッションの役目をする椎間板があります。

この椎間板はやわらかいゼリーのようなものなのですが、一日の活動をしていると重力や体重の影響もあって、ほんのちょっとずつ押しつぶされてしまいます。
もう少し詳しく説明すると、椎骨は上から7個は頸椎(けいつい)、12個は胸椎(きょうつい)、5個は腰椎(ようつい)と呼び、全部で24個の椎骨で形成されています。
よって椎骨と椎骨の間にある椎間板の数は23個となります。
1個の椎間板がほんのわずか0.04cm押しつぶされたとしても、
0.04cm × 23個 = 0.92cm
となり、約1cmも身長が縮んでしまう計算になります。
ですがご安心ください。
一時的に押しつぶされた椎間板は、一晩、身体を横にして楽にしていると元に戻ってきます。
私達の身長が一日の間で変化することはごくごく普通のことであり、子どもであっても大人であっても、男性、女性、すべての人に起こります。
身長が縮む原因「骨粗しょう症」

でも、身長が低くなる原因が、背骨の骨自体がもろくなる「骨粗鬆症」であれば気を付けなければなりません。
これは骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と読むのですが、難しい漢字を使いますので、ヒカル先生のコラムでは「骨粗しょう症」と読みやすくしておきますね。
ちなみに、粗は「荒い」という意味であり、鬆は「お酢」という意味があります。
つまり、お酢を入れた大根のように骨がスカスカになってしまい、骨折をしやすい危険な状態なのです。
骨粗しょう症は男性よりも女性に多い病気であり、50歳以上から急に増加する傾向があります。
50代女性では9人に1人だったのが、60代女性では3人に1人、70代女性になると2人に1人が骨粗しょう症と言われています。
合計すると50代以上の女性3人に1人が骨粗しょう症といわれるほど身近な病気なのです。
なぜ骨粗しょう症は女性に多いかというと、それは女性ホルモンの影響が大きく関係しています。
女性は、「エストロゲン」「プロゲステロン」という2つの女性特有のホルモンがバランスよく働いて、女性としての機能を調整しています。
とくにエストロゲンには「骨をつくる」という作用があります。
ですが、女性は一生の間にエストロゲンの分泌量が大きく変化し、閉経を迎えると急激に減少します。
そのため、女性は50歳位を境に、エストロゲンの減少により骨量が減少してしまい、骨粗しょう症を発症しやすいのです。
一方の男性は、男性ホルモンのテストステロンが骨からカルシウムが溶けだすのを抑えています。
もちろんテストステロンが減少すると、骨粗しょう症になりやすいのですが、一般的に男性は筋骨隆々の方も多くホルモンの減少が緩やかなために、女性よりも骨粗しょう症になりにくいのです。
しかし!
「ほっ」と胸をなでおろした男性の方!
まだまだ安心はできませんよ。
今後懸念される問題として、現代人特有の生活を過ごしている方は男性であっても骨粗しょう症になりやすいと言われているのです。
その理由としてデスクワークの増加により慢性的な運動不足、外食の増加による食品添加物の過剰摂取、極端なダイエットによる栄養不足などがあります。
つまり、骨粗しょう症は年齢によるホルモン低下だけが原因ではありません。
骨祖しょう症になるかどうかは、若いころからの生活習慣が大事なのです。
では、次の章では骨粗しょう症を予防するうえで大切なポイントをチェックしましょう!
骨粗しょう症を予防するポイント

まず骨粗しょう症の治療方法には、薬物療法として「骨の溶け出しを抑える薬」「骨をつくる薬」「ビタミン剤」などが使われますが、
薬物療法を行う前に、基本となる3原則を行うことが大切です。
その3原則とは、「食事」「運動」「日光浴」の3つです。
では、この3原則について詳しく説明しましょう。
<食事>
骨といったらカルシウムを誰もが思い浮かべますよね。
そうです。
まずはカルシウムをしっかり取ることが大切です。
厚生労働省による必要な摂取量は、
成人男性で600~650mg/日
成人女性で550~600mg/日
牛乳200mlで約200mgのカルシウムを摂取できますが、乳製品、大豆、海藻、子魚、緑黄色野菜などに多く含まれます。
カルシウムの他にも、
ビタミンD(魚、干しシイタケ等)
ビタミンK(納豆、たまご、緑黄色野菜等)
マグネシウム(豆類、ほうれん草等)
など、様々な栄養素をバランスよく食べることがポイントです。
ですが、インスタント食品、炭酸飲料、スナック菓子、お酒等は、食品添加物、食塩、脂質などが多く含まれていますので、過剰摂取しないようにしましょう。
<運動>
骨は運動したときの圧力・負荷によって骨をつくる細胞が活発になり、強くなります。
運動といっても激しい運動ではありません。
ウォーキング、ジョギング、筋力トレーニング、ストレッチでも十分に効果があります。
ようは座りっぱなし、寝てばかりといった、骨や筋力を使わない時間を減らし、立ったり歩いたりと適度に骨に刺激を与えることが重要なのです。
ですが、無理に運動を行うと逆に体を痛めることもありますから、自分の体力に合わせた運動を行いましょう。
<日光浴>
ビタミンDは食事だけではなく、太陽の紫外線を浴びることで体内にビタミンDが作られます。
美容のために過剰に紫外線をカットする方もいらっしゃいますが、手や顔に30分程度、日光が当たれば十分ですから、適度な運動をかねてちょっと散歩に出かけるとよいですね。
ビタミンDは体内に蓄えることもできます。
適度に日光浴をしていれば、無理して雨の日に散歩に出る必要はありませんよ。
まとめ

いかがでしたか。
今回、背が縮む原因、その中でも重大な原因である骨粗しょう症、その予防法をご紹介しました。
・・・あれっ、「タイトルには、骨粗しょう症を予防する4つのポイントとあるのに、3つしか紹介していないぞ!」という声が聞こえましたよ。
鋭いツッコミです。
大丈夫です。もちろんヒカル先生は4つ目を忘れたわけではありませんよ。
美味しいところは最後にとっておいたのです。
それでは、お待たせしました。
最後の4つ目のポイントを紹介します。
それは、<骨の新陳代謝>です。
骨って頑丈ですので、背が伸び切ったころをピークに完成し徐々に衰えていくと思われがちですが、新陳代謝で新しい骨に生まれ変わります。
なんと約3年で全身の骨は作り替えられるのです。
実は先ほど紹介した3原則の「食事」「運動」「日光浴」も、広い意味では新陳代謝を良くすることが目的です。
では、その新陳代謝をさらに良くするにはどうしたら良いか?
その秘訣は、ヒカル先生が毎回のように訴えている「血行改善」が本当の基本です。
ヒカル先生は、血行改善には電気磁気治療器を勧めています。
その理由のひとつとして、電気磁気治療器の発する磁気は身体の中を通過し、骨の内部の毛細血管までも刺激するからです。
そうすると骨の内部にも酸素や栄養素が行き届き、新陳代謝が活発になって骨の再生に凄い効果があるのです。
つまり、骨粗しょう症の予防には、外部からの予防として「食事」「運動」「日光浴」、内部からの予防として「電気磁気治療」を行うことがポイントというお話でした。