若者の目が危険信号

ヒカル先生はこのサイトのイラストの通り眼鏡を掛けているのですが、中学生のころからずっと眼鏡のお世話になっています。
まぁ、いわゆる近視です。
でもヒカル先生の近視は20歳位から約20年間ずっと進行しませんでした。
眼鏡とレンズは何度か作り直したものの、度数はずっと一緒のままだったんです。
ですが、昨年になって急に右目がみえづらくなり、とても目が疲れるので、「もしかしたら老眼が始まったか?」とドキドキしながら眼科を受診しました。
その結果は、「老眼ではなくちょっと乱視が入ってきた」でした。
「まずは一安心」
と胸をなでおろしたものの、20年ぶりにレンズの度数を変えることになりました。
それでちょっと奮発して、今回はモニターから発するブルーライトをカットするレンズで眼鏡を新調してみました。
その時に、眼鏡屋さんの人と色々とお話しする機会がありましたので、ちょっとその話を紹介しますね。
ひと昔前はヒカル先生と同じく40代の方が「老眼かも?」って訪れることがよくあったそうです。
しかし、最近は30代、ときには20代の人が老眼と同じような症状を訴えて来店されることが増えたそうです。
老眼の症状は、皆さんもご存知かと思いますが、
「近くの文字が見えにくく少し離すと見える」
「朝は良く見えても夕方になるとぼやけてくる」
といった症状であり、一般的には40歳を過ぎたあたりからポチポチと、50歳位になると大半の方が老眼を自覚してきます。
この老眼のメカニズムについては後で触れるとして、
まだまだ老眼とは無縁と思われる20代の人が老眼と同じような症状を訴えるとは、いったい何が原因なのでしょう。
・・・はい、皆さん分かりましたね。
答えは「スマホ」です。
もっと正確に言うと、
「小さなスマホの画面の小さな文字をみるために、顔をスマホに近づけて長時間みてしまう。」
「暗いところで明るいモニターの光を浴びてしまう。」
このような行為が目に大きな負担となって、老眼のような症状が一時的に出てしまうのです。
これは「スマホ老眼」と呼ばれ、2010年ころから若い人を中心に増えているそうです。
スマホ老眼チェック

下記は眼鏡市場さんのサイトから引用したスマホ老眼チェックです。
7個の質問がありますので、いくつ当てはまるか数えてみましょう。
1 スマホなどの小さい文字が見づらい時がある。
2 スマホを使用した後、遠くを見るとぼやける。
3 昼間に比べ、夕方はモノが見づらい時がある。
4 スマホを片方の目で見ている時がある。
5 目の焦点が合いづらい。
6 目が乾きやすく、ショボショボする。
7 スマホ画面を見た後、ピントが合いづらくメガネをはずしてしまう。
いかがですか。
7個の質問で当てはまるものがありましたか?
実は眼鏡市場さんによると、この7個の質問で1つでも当てはまるとスマホ老眼の疑いがあるんですって。
これ以外にも身体の症状として、頭痛、肩や首のコリなどもチェックポイントです。
老眼とスマホ老眼の違い

では、次に老眼とスマホ老眼の違いについて説明しましょう。
それにはまずは眼の仕組みについて知る必要があります。

眼にはカメラのレンズに相当する「水晶体」という軟らかいタンパク質があります。
カメラではレンズを絞るように操作してピントを合わせていきますが、この役割を担うのは、「毛様体」という筋肉です。
私達の眼は、「毛様体」を収縮弛緩することで「水晶体」の厚みを変化させて、「網膜」にピントが合うように調節します。
そうすると「視神経」を通して脳に情報が送られ、映像として物が見えるのです。
眼鏡やコンタクトレンズで補正する必要もない正常な眼では、網膜にピントがバッチリ合います。

近視の眼では、網膜に届く前にピントが合ってしまいます。

遠視の眼では、近視とは逆に網膜を過ぎないとピントが合いません。

正常、近視、遠視の違いが分かりましたね。
ここで重要なことは、
近視や遠視で網膜にピントが合わなくとも、「毛様体」は収縮弛緩して「水晶体」の厚みを変化させている能力はある。
ということなのですが、これが老眼との大きな違いです。
それでは、老眼はどのような状態かと言うと、
老化などの影響で「毛様体」の筋力が弱くなり、「水晶体」も硬くなって、ピント調節能力自体が低下しているのです。
そして問題のスマホ老眼はどのような状態かと言うと、
長時間のスマホ閲覧などで「毛様体」の筋肉が疲れてしまい、一時的にピント調節ができなくなっています。
いわば、肩コリと同じく目のコリであり、毛様体が長時間の緊張でガチガチになった状態です。
このような症状はパソコンが一気に普及したときにも騒がれましたが、パソコンの画面よりもはるかに小さなスマホはさらに目の負担が大きいです。
それで、最近になってスマホ老眼として騒がれているのです。
スマホ老眼の回復法

スマホ老眼は一時的なものですので、「疲れたな」と思ったら一旦スマホの閲覧をストップして、遠くを見たり目をつぶったりして休ませることで回復します。
ですが!
スマホ老眼は一時的だとしても、重症化すると日常生活にも支障が出ることもありますし、老眼が早まる危険性もあります。
それで今回は、スマホによる目の疲れを簡単に予防する4つのセルフケアを紹介しましょう。
<画面の設定を変える>
スマホ画面のバックライトにはブルーライトが多く放射されています。
エコモード等を使用したり、手動で明るさ、文字の大きさを調整しましょう。
とくにエクセルやワードで作業をするときは、背景に薄い色を付けたり、文字の色を濃くしたりすると目の疲れが軽減できます。
<遠くを見る>
まずはコリ固まった毛様体を緩めるために、スマホの画面から目をそらし、遠くの風景を見るようにしましょう。
できれば5分くらい、木々をぼ~っと見るだけで毛様体の緊張がほぐれていきます。
<まばたきをする>
スマホだけではなく携帯ゲームなどを熱中していると、集中しすぎてまばたきの回数が減っていることが多々あります。
まばたきには涙で眼が潤う働きがありますので、ドライアイや眼の充血を防止するために、意識してまばたきをするようにしましょう。
<眼を温める>
目が疲れた時に目を冷やすと気持ち良いと感じますが、目の疲れを取る方法としては間違いです。
目が疲れたときは蒸しタオルなどをまぶたに数分乗せたりして、目の周りを温めましょう。
温める理由は血行を良くすることですので、もちろん磁気を当てるとなお効果的ですよ。
まとめ

いかがでしたか。
今回はちまたで急増している、若者の目が疲れる原因のスマホ老眼について取り上げてみました。
私達の目は、40歳を境いに老眼が始まってくるように、目の衰えは避けられないものです。
しかしながら、いまや現代社会ではスマホなしでは生きていけないという言葉も大げさではないくらいに、若者だけではなく高齢者の方々にも広くスマホがご利用されています。
その弊害として、「スマホ老眼」という新しい健康問題が発生してしまったのです。
若いときは自分が病気になるとは考えにくいものですが、目の負担が大きい生活をしていると、早期に老眼になったり、緑内障や白内障といった大きな目の病気になるリスクが高まってしまいます。
そのため、健康や病気予防は高齢者だけの問題と思わずに、若い方にも健康に興味を持ってもらい、適切な知識を持って予防に努めてもらえるとヒカル先生はとっても嬉しいです。
では、今回はこの当たりでおしまいにしましょう。
次回もお楽しみに。