中央省庁による障害者雇用水増し問題を考える

障害者雇用水増し
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2018年 8月 中央省庁で大不祥事

中央省庁での不祥事
いや~ビックリしました。8月も終わりに近づき暑さもだんだんと落ち着いてきた今日この頃、大変な不祥事のニュースです。

なんと8月28日現在において、中央省庁の80%に当たる、26もの行政機関で障害者雇用の人数が水増しされていたというのです。

 

その数、実に3460人

 

しかも私達から税金を徴収する国税庁、法律を取り仕切る法務省、財政を管理する財務省がです。

他にも国土交通省、防衛省、農林水産省、公正取引委員会などでも水増しが発覚しました。

 

このニュースを初めて聞いたとき、ヒカル先生は空いた口がふさがりませんでした。

中央省庁全体では約6800人の障害者を雇い法定雇用率を達成との報告が全くのデタラメであったとは、ヒカル先生は怒りを通り越してただ呆れるしかありません。

今後も地方公共団体等にも調査のメスが入ると思いますが、おそらく水増し人数はさらに拡大していくでしょう。

 

加藤勝信厚生労働相は28日の記者会見で、

「障害者施策を推進する立場として深くおわびを申し上げる」

「今年中に法定雇用率に満たない人数を雇用するよう努力してもらう」

と述べられましたが、民間企業からは大反発が起こることは必至です。

 

なぜ民間企業から大反発が起こるかというと、その背景には障害者雇用促進法の「障害雇用率制度」があります。

「障害雇用率制度」を率先すべき中央省庁が起こした今回の不祥事によって、間違いなく制度の根底から見直しを迫られる大事件になってくるでしょう。

 

そのため今回ヒカル先生は、この制度を皆さんに分かりやすく説明して、問題の本質はどこにあるかを考えていきます。

 

障害者雇用率制度とは

障害者雇用制度とは
厚生労働者のホームページを調べると障害者雇用率制度の概要をダウンロードできます。

 

でもここだけの話をすると、行政がつくる資料は膨大ですから探すだけでも一苦労です。

あっちこっちの資料を照らし合わせたり、資料もページ数が多かったりしますので、理解するだけでもけっこう大変です。

 

なんでお役人の作る資料はこんなに分かり難いのか・・・

まぁヒカル先生がボヤいたところで致し方ないですので、そろそろ本題に入りましょうか。

 

政府は障害者に対して色々な支援を行っていることは、皆さんもご存知のところです。

 

障害者として認められた人には、等級によりますが障害年金を支給、公共交通機関の割引などの各種サービスなどが受けられます。

また障害者であっても社会復帰を望まれる方はたくさんおりますので、国、地方の公共団体が中心となって、民間企業にも障害者の雇用の輪を拡げています。

 

つまり、「障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる「共生社会」実現の理念のもと、すべての事業主は障害者を雇用する義務を負っています。

 

また障害者を雇用する人数割合は法律で決まっていて、これを「法定雇用率」と呼びます。

法定雇用率 平成30年 4月1日の基準国・地方の公共団体等       2.5%
都道府県等の教育委員会      2.4%
45.5人以上の従業員の民間企業 2.2%

 

中央省庁の場合ですと1000のうち25人は障害者を雇用、45.5人以上の従業員を抱える企業ならば1000人のうち22人の障害者を雇用することが法律で義務付けられているのです。

 

・・・うん?
「45.5人以上の従業員ってなんだ?」という声が聞こえたような。

さすが磁気とカラダの保健室の読者の皆さんは実に良いところに気が付きます。

 

ちょっと下図をみてください。
週所定労働時間
障害者には身体障害者、知的障害者、精神障害者の3種があり、行政は障害具合に応じて等級を定め、障害手帳を発行しています。

 

なお、法律上で障害者と認められるためには障害者手帳が必ず必要ですので、とっても大切な証明書なのです。

 

そして法定雇用率を算出するうえで身体障害者と知的障害者は重度が区分けされ、週の労働時間によって0.5人、1人、2人といった換算がされるのです。

 

今回は重度の身体障害者、知的障害者の定義は省きますが、重度の障害で週に30時間以上の労働者であれば2人と換算します。

また重度ではない障害者で、20~30時間未満の労働者であれば0.5人と換算します。

このような仕組みにより、45.5人以上というような0.5人単位が出来てしまうのです。

 

民間企業が障害者を雇用すると

民間企業が障害者を雇用すると
障害者雇用率制度を民間企業に推進するために、政府はアメとムチを用いました。

 

まずはどんなアメか概略を説明しましょう。

<企業への助成金例>

1)法定雇用率で定める障害者数を超過1人当たり、月額2万7千円を支給

2)100人以下の企業が障害者を6人または4%雇用すると、法定雇用率で定める障害者数を超過1人当たり、月額2万1千円を支給

つまり、法律で定める人数以上に障害者を雇用すると、一人当たり毎月2万7千円、100人以下の企業であれば更に2万1千円が加算されるので、計4万8千円が支給されるのです。

 

また障害者を雇い入れるために企業は様々な設備投資をしなくてはなりません。

 

そのため政府は複数の助成金を設けており、なかには100万円を遥かに超える助成金制度もあります。

 

いっぽう法定雇用率を達成できない企業には、罰金というムチが降り注ぎます。

この罰金のことを納付金の徴収と呼びますが、法定雇用率で定める障害者数の不足1人あたり、毎月5万円(注意)が徴収されるのです!

注意:
常用労働者100人超の企業から徴収する。
100人超200人以下の企業は2020年3月までは4万円に減額される。

 

いかがですか。アメはけっこう美味しそうではありますが、このムチを食らってしまうと非常に痛いですよね。

ですから民間企業は障害者雇用率制度に真剣に取り組まざるを得ないのです。

 

ちなみに事業の性質上、どうしても障害者に任せるポストがわずかしかなく法定雇用率を満たせないという企業もあるでしょう。

このような場合に備え、親会社と子会社をひとつの企業として法定雇用率を算定するという特例があります。

そのため、法定雇用率を達成するために、わざわざ障害者を雇用する事業を起こして子会社を作ることも行われているのです。

 

ところで中央省庁を始めとする行政機関には、どのようなアメとムチが用意されていると思いますか?

 

実は・・・アメもムチもないのです!

 

中央省庁を始めとする行政機関は、民間企業の手本として法律の義務を果たすことは当然との考えから、助成金もなければ罰則の規定もないのです。

 

まとめ

障害者雇用水増しまとめ
いかがでしたか。

今回の中央省庁らが起こした障害者雇用の水増し問題ですが、障害者雇用率制度の概略を知るといかに大変な問題なのか、まざまざとご理解いただけたことでしょう。

 

百歩譲って、障害者と認められる方が障害者手帳を申請していなくてカウントしていたというならば、まだ納得できる余地はあるかも知れません。

ですが、あきらかに障害者とは認められないレベルの人をカウントしたり、健常な職員をカウントしたり、果ては亡くなっている人をカウントしたりとやりたい放題です。

 

しかもその水増し人数は26もの行政機関で3460人!

 

民間企業に課す徴収金が5万円ですから、単純計算で1億7300万円もの不正になります。

しかし問題の本質は金額ではありません。

 

ヒカル先生は、行政期間が率先して障害者雇用を放棄していた事実の意味を問うべきと考えます。

障害者といっても、ある一部分が欠けているだけです。
欠けている部分をサポートしてあげれば、健常者と何ら変わらない働きが出来ます。

 

これからの社会は健常者と障害者が共存できる社会にすべきという理念のもと、民間企業は障害者を雇用しました。

そして適切な訓練、教育、指導に大変な時間と費用をかけているのです。

 

ところが、見本となるべき中央省庁を始めとする行政機関が水増しとなれば、障害者は使えない、法律がおかしいという烙印を押したという意味にもなりかねませんよ。

 

これは障害者の方々、多くの民間企業に対して大きな裏切りであり、今後の障害者雇用について大きな波紋になることでしょう。

今後、皆さんもこの障害者雇用水増し問題は注目してください。
けっして風化させて良い問題ではありません。

 

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