毒素が増えた理由

日常的に摂取する食品などに入っている添加物や脂質が、体内に蓄積されることで溜まってゆく「毒素」。
約70年前と比べると毒素の量も種類も増えたと言われています。
人には本来、毒素などの不要物を排出するシステムがあります。しかしそれ以上に体の中に入ってくる毒が多い現代では、意図的に毒素を排出する事が必要と言われています。
毒素の種類として、ひとつは外部から流入する毒素があります。
例えば大気汚染、水質汚染。食品だとファーストフードの普及や添加物の摂取。また喫煙やシャンプー、化粧品のような皮膚を介する経皮毒などがあります。
もうひとつに、内部発生する毒素があります。これは腸内有害菌や宿便、ストレス、活性酸素や乳酸などです。
これらは時代が便利になればなるほど増え続けていくと言われています。
体内毒素が増えると代謝が落ちる

上記で述べたように、ストレスや睡眠不足、ファーストフードや食品添加物たっぷりの食事、大気汚染など、私たちの周りには体に悪いものが溢れています。
よく「体に老廃物が溜まる」と聞いた事があるかと思います。これは身の周りの毒素を体へ取り入れる量が、排出量より多くなると、それが老廃物として体にどんどん溜まっていく事を指しています。
中には体外に排出されるまで6年位かかる毒素もあると言われています。
毒素が溜まっていると、自覚症状として主に下記のような症状が挙げられます。
●体が冷える
毒素が溜まると、それが原因で体が冷えていきます。食品添加物や農薬、上白糖などの精製食品などは冷えの原因と言われています。冷えた体は血液の循環が悪くなり、生命活動の維持に必要な酵素、バクテリアの働きを悪くします。
●代謝機能が落ちる
体の冷えが続くと、血液の流れが悪くなり体の代謝が落ちてきます。その結果、倦怠感や肌荒れなどの体調不良が現れます。
●健康に悪影響
毒素が溜まると身体機能が低下し、ホルモンが乱れてアレルギーや、生活習慣病の原因となります。
また、便秘や冷え性、肥満、肌荒れなども老廃物が溜まっているのが一因にあるかもしれません。
体の循環機能が衰えないように、日頃から体から毒素排出を促すのが大切です。
有害ミネラルとは

ミネラルは私たちの体に必要不可欠な栄養素です。一方で体に有害なミネラルもあります。
ヒ素や水銀、鉛やカドミウム、アルミニウムなどのいわゆる有害金属です。
土や海中に含まれていてそこで育つ魚や野菜、肉などを食する事により、やがて私たちの体で溜まっていきます。
体には本来解毒作用が備わっていますが、体に蓄積された有害ミネラルは、なかなか排出されず活性酸素を増やしたり、臓器にたまり障害を起こす原因となります。
また脳や脂肪組織などの特定の組織に蓄積される事が知られています。
有害ミネラルは必須ミネラルの補給で排出を促す

有害ミネラルの排出には、バランスの良い必須ミネラルの摂取が基本と言われています。
体内のミネラルバランスと整えるだけでなく、有害ミネラルの排出を促します。
例えば、亜鉛や銅、鉄はカドミウムを吸収し抑制、排泄を促します。
また必須ミネラルを十分に摂取していると脳細胞はたくさんの必須ミネラルが結合し、脳細胞に侵入したメチル水銀などの有害物質を排泄します。
体のために必要なミネラルは積極的に補い、有害なミネラルは排出することを常に心がけたいものです。
不足しがちなカルシウムを効率よくとるには、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、小魚や海藻、わかめなどの海草類、緑黄色野菜などがおすすめ。
カリウム不足には、ほうれん草やアスパラガス、ブロッコリーなどの野菜やアボカド、いも類や果物、海草類を。
鉄分は、かつおやまぐろなどの魚類や、カキやレバー、卵や大豆製品などに多く含まれています。
食事でとるのが難しい場合は、サプリメントを利用するのも手です。
肝臓と解毒の関係

体の解毒を促す目的として「肝臓の機能を上げ代謝をよくする」「腸内環境を良くする事」があります。
肝臓と言うのは、健康を保つ上でとても重要な臓器です。消化に大切な胆汁を生成したり、栄養分を体内に流通させたり、アンモニアを尿素に作り変えて尿として排出を促したり、有害物質を分解したりします。
健康診断で、肝機能の数値をγ-GTP、GOT、GPTなどで表しますが、これはどれも肝臓にある酵素のことです。この数値が大きいということは、肝臓で働くはずの酵素が流れ出てしまっているということで、すなわち肝機能が下がっているということなのです。
肝臓を温めて代謝を上げる

肝臓を温める事で代謝が上がり、解毒作用の力も高まります。
血行を良くする事で肝臓への血流量が増加し肝臓の機能が高まります。基礎代謝で大量にエネルギーを消費する肝臓がより働くことにより、体内にある毒素を体外に排出する作用が高まるのです。
また、代謝が向上する事で、胃腸の働きが活発になり便秘の予防などの腸内環境の向上に繋がります。
○ 入浴は毒素排出の効果ある?
肝臓(体)を温める効果や、毒素排出の方法として「入浴」が良く取り上げられます。
ですが入浴自体には毒素排出の効果は低いと言われています。
体から毒素を排出する割合は、便75%、尿20%、汗3%、爪1%、髪1%と言われています。
つまり、汗と一緒に排出される毒素はたったの3%。毒素排出の大部分を担う便からは食べ物から出た老廃物、有害ミネラル(鉛、カドミウム、水銀、ヒ素など)、尿からは有害ミネラル、過剰な水溶性ビタミン、老廃物、食品添加物が排出されます。
しかし、入浴が毒素排出に繋がらないかと言うと、そうではありません。入浴し体温を上げることで、代謝が促され、冷え性やむくみの改善につながります。
また、胃腸を外側から温めることもできるため、毎日の入浴をしっかり行うことで、直接的ではないにしろ、毒素排出をサポートしてくれる効果が期待できそうです。
● 白湯を飲んで体を芯から温める
朝起きてすぐ、一杯のお白湯を飲む、という方法も毒素を排出するやりかたのひとつです。
寝ている間に水分が奪われた起床時に、お白湯を飲むことで胃腸を内側から温め、整腸作用に効果があるのだそうです。
もちろん、お白湯をそのまま飲むだけでもOKですが、スパイスなどを入れるとより高い効果が期待できます。体の毒素を排出するとともに、肝臓を休ませる効果も。肝臓は疲労が溜まっても、なかなか症状を表さない沈黙の臓器と言われています。
体内の解毒を担ってくれている肝臓の働きにアプローチするには、七味唐辛子やクミン、コリアンダーを少量加えたお白湯がぴったり。七味に入っている陳皮や山椒が体の巡りを助け、老廃物排出に一役買ってくれます。
他に肝臓の疲労に繋がりやすい飲酒や脂質の多い食事を控えるなど、普段の生活習慣を意識する事で、肝臓に負担をかけない事も大切です。
自分自身で症状を自覚していなくても、肝臓を温めたり定期的に肝臓を休ませることで本来の機能を活性化し、より健康な体へと導くことができます。