ライザップが人気です

テレビを付けていると、チャチャリーンテッテケテーンとRPGゲームでレベルアップしたときのような印象的なメロディが流れます。
ふと顔を見上げてみれば、たぷたぷのお腹で覇気のない顔をした人が、次の瞬間には引き締まった肉体を自慢げに見せつけています。
そう、これは「結果にコミットする」というキャッチフレーズも印象的なライザップのCMですね。
ライザップのCMにはたくさんの著名人が出演していますが、これでもか!といわんばかり割れた腹筋を見せつけますから、それはもう大変なインパクトですよね。
さすがにあそこまで見せつけられると、ヒカル先生だってつい見惚れてしまいますもの。
ですから皆さんだってライザップに興味をもって、理想の身体を手に入れたいと唸っている今日この頃でしょう。
と、ライザップの宣伝から始まった今回のコラムですが、ヒカル先生はライザップにお世話になっているわけではありませんので、この当たりでライザップの話は終わりにしましょう。
でも、何故にヒカル先生はライザップの話を切り出したかというと、ライザップが取り入れている低糖質の食事法に注目しているからです。
この食事法は皆さんも最近耳にすることが多いでしょう。
そう、「糖質制限ダイエット」です。
お米やパン、麺類といった主食を控える注目のダイエット法ですが、はたしてどのような仕組みで人体は痩せていくのか、皆さんも興味を持っていることでしょう。
それで今回ヒカル先生は、ライザップによって急激に広まってきた「糖質制限ダイエット」について、前編・後編の2本立てでお送りします。
糖質制限ダイエットとは

最初に糖質制限のダイエット効果から言ってしまいましょう。
この食事法を徹底して行えば・・・
短期間で一気に体重が落ちます!
数多くのダイエット法がありますが、もしかしたら体重が落ちるスピードがもっとも速いのではないでしょうか。
その方法は「炭水化物を減らすこと」
一言で言うとコレだけです。
炭水化物は米、小麦、イモ類に多く含まれ、ごはん、パン、麺等が作られます。
他にも炭水化物は果物に多く含まれ、砂糖も炭水化物です。
炭水化物は糖質とも呼ばれるように、ブドウ糖や果糖、でんぷんなどが主な成分であり、大量に摂取すると太る原因になります。
そこで糖質制限ダイエットは炭水化物を制限するのですが、炭水化物はタンパク質と脂質と並ぶ3大栄養素のひとつです。
とくに炭水化物の主要成分であるブドウ糖は脳や神経組織を動かすエネルギーであり、ブドウ糖は無くてはならない栄養素と考えられていました。
ですからヒカル先生が数十年前に学校で栄養学を学んだころには、主食であり生命活動に必要なエネルギーの炭水化物を制限するという発想は考えられませんでした。
ですが比較的最近になって、「糖新生(とうしんせい)」と呼ばれる人体の機能が判明したのです。
糖新生をざっくり説明すると、炭水化物からブドウ糖を摂取できなければ、人体はタンパク質と脂肪からブドウ糖に替わるエネルギーを生成するという働きです。
この糖新生が糖質制限ダイエットの最大のポイントです。
つまりご飯やパン、麺類といった主食を控えると炭水化物エネルギーが不足しますが、その代わりにお肉や魚、卵、野菜、チーズなどからタンパク質と脂質を十分に摂取すれば、炭水化物のエネルギーを賄えるというのです。
糖質制限ダイエットはカロリー制限法ではありませんから、食事の量そのものを抑えることはありません。
むしろ、お肉や魚、野菜、チーズなどタンパク質と脂質が多く含まれる食材は積極的に食べることが重要になります。
さらに糖質制限ダイエットを詳しく

それでは、ここからはちょっと詳しい栄養学や人体の仕組みになりますのが、なるべく簡単に説明しましょう。
炭水化物を含んだ食事をすると血液中にブドウ糖が増えて、血糖値が上がります。
血液中のブドウ糖は全身に運ばれて脳や筋肉が動くためのエネルギー源になるのですが、余ったブドウ糖を吸収するためにすい臓はインスリンを分泌します。
このときに人間も動物であるがゆえの生物的な働きが作用します。
野生の動物達に食料の保証はありませんから、いざという時に食料を安全な場所に隠したり、体内に備蓄しますよね。
人間も動物と同様に、使いきれないブドウ糖はいざという時のエネルギー源にするために体内に備蓄されます。
それが脂肪です。
ようはサブバッテリーのように、脂肪にため込んだブドウ糖を放出することで、しばらくは動けるようにする機能が働くわけです。
ではここで話を糖質制限ダイエットとインスリンに戻しましょう。
インスリンは食事をすれば必ず分泌されるわけではなく、血液中のブドウ糖に反応して分泌されます。
つまり炭水化物を取らなければ血糖値は上昇せず、インスリンは分泌されることなく脂肪が蓄積されないのです。
糖質制限ダイエットはこの人体の仕組みを最大限に利用しています。
裏を返せば、食料が飽和して肥満が社会問題になっている現代ならではのダイエット法です。
実際に糖質制限を始めると、初期はブドウ糖が不足するために頭が上手く回らず、身体はフラフラするでしょう。
いわゆる空腹状態、身体のエネルギーが切れかかっている状態ですね。
そうすると身体は生命維持のために、メインエネルギー源を炭水化物からタンパク質と脂肪に切り変える糖新生が働きます。
そしてブドウ糖に変わる脳と身体のエネルギーである「ケトン体」を生成します。
さらに脂肪がメインエネルギーになってドンドン消費されますから、身体の脂肪はみるみる消えていきます。
でも調子に乗っていると気を付けなければいけないことも。
ケトン体を作る原料となる脂肪が少なくなると、身体は次にタンパク質を材料として使い始め、身体中の筋肉がやせ細ってしまうのです。
せっかくダイエットが成功しても筋肉が衰えては元も子もありません。
そのために、糖質制限ダイエット中はタンパク質と脂質はこれでもか!というくらい食べることが必要になります。
うん?
「タンパク質と脂質と言ったらお肉や魚だけど、さすがに食べ過ぎたら太るのでは?」という声が聞こえましたよ。
そうですね、確かに皆さんここが気になるところでしょう。
ですが太る仕組みをもう一度考えてください。
身体は炭水化物で太るのです!
タンパク質と脂質が多いお肉には糖質はほんのわずかです。
そのために血糖値はわずかしか上がらず、インスリンは分泌されません。
また糖質制限をしている身体では、タンパク質と脂質は身体のエネルギーとしてどんどん消費されるサイクルが出来上がります。
まとめ

いかがでしたか。
今回は糖質制限ダイエットの基本をお送りしましたが、なんとなくでも痩せていく仕組みをご理解いただけましたでしょうか。
では、ここだけの話として正直に白状しますが、ヒカル先生はこの糖質制限の仕組みを調べたとき、とても驚きました。
ハッキリ言ってしまうと、今まで常識であった栄養学や人体の仕組みを逆手に取った方法なんですよ。コレ・・・
でも、よくよく考えてみると確かに理にかなっていますし、実際に多くの方がダイエット効果を実感しています。
炭水化物はお米やパン、麺類ですので、主食として毎日3食いただくことは当たり前でした。
ですが、現代の私達の食事メニューは炭水化物が多すぎると、前々から警告もありました。
例えば、ラーメンとチャーハンのセット、お好み焼きとご飯の定食などですが、これは炭水化物+炭水化物です。
このようなメニューは糖質が多すぎるだけではなくカロリーも凄いですから、身体は太りやすくなります。
でもいくら糖質制限がダイエットに有効と言っても、炭水化物って美味しいんですよね。
ヒカル先生も炭水化物は大好きです。むしろお肉は苦手・・・
ですから皆さん!
今回ヒカル先生は「注目のダイエット法 糖質制限ダイエットとは」をお送りしましたが、今回は前編です。
実際に糖質制限ダイエットに取り組むかの決断は、次回の後編を読んでからでも遅くありません。
それでは、次回の後編までもう少々お待ちください!